札幌市立高生徒会リーダー交流会　学校や地域活性化へ　他者に影響力与える組織

（札幌市 2024-12-18付）

　札幌市立高校８校の生徒会が交流する「生徒会リーダー交流会」が９日、市内のちえりあで開かれた。生徒８０人が参加し、武蔵女子大学の教授から他者に影響力を与えるリーダーシップと組織づくりについて学習。学校や地域の活性化に導くための新しい生徒会の在り方を探った。

　取組は市立高校・特別支援学校長会が主催。各校の活動内容を交流することで生徒会執行部の活動へ生かすことを目的に、例年実施している。本年度は武蔵女子大の協力を受け「組織づくりとリーダーシップ～これからの社会で求められるリーダーシップとは」をテーマに①文化的な行事・活動（学校祭）②体育的な行事・活動（体育祭・球技大会）③生活・風紀的な活動・取組（生活のきまり・校則）④保健・厚生・環境的な活動・取組（社会貢献）⑤生徒会執行部―の５グループに分かれて交流。

　大学キャンパス周辺の地域を活性化するプロジェクトを学生や地域と連携して達成するという架空の事例について、様々な課題を解決し、組織で目標を達成するためにふさわしいリーダーシップの執り方や周囲とのコミュニケーション方法を経営学や組織心理学の視点から学習した。

　各グループではそれぞれのテーマを中心に各校で取り組んでいる強みや工夫を交流。プレゼンテーションでは、８校の代表者がグループワークを通して得た他校の取組を参考に、自校の生徒会の課題や今後に生かしたい考えを発表した。

　市立札幌旭丘高校の生徒は人と人とのつながりを大切にした明るく楽しい生徒会をモットーに、全校生徒との距離の近さを大切にした生徒会を目標に設定。一方、異学年交流や地域との関わりに課題があるとし「新しいことを生み出すためにこれらは重要。個性を表現する場を設けたり、関係者との報告・連絡・相談の徹底を大切にしたりすることで達成したい」と決意。

　市立札幌新川高校の生徒は執行部のモチベーションの差を課題と捉え、生徒が生徒会に足を運ぶ頻度を増やすことや積極的に意見を発信できる場を設けることでコミュニケーションを図ったり、仕事が偏る状況を緩和したりすることで「モチベーションの格差を是正していきたい」と課題解決策を展望した。

　武蔵女子大の吉地望教授は「モチベーションの高い生徒が多く熱意や意欲を感じた。周囲を盛り上げる活動を通して学校のみならず、将来、市や日本全体を導くリーダーシップを発揮してほしい」と期待を寄せた。

(札幌市 2024-12-18付)