檜山 持続的なふるさと教育 
(道・道教委 2024-12-19付)

 国や道の指定文化財が数多く残る檜山管内。地域への愛着と誇りを育もうと、各学校ではふるさと教育が盛んに行われている。

 一方で、管内の児童生徒数は現在、平成初期と比べ約4分の1まで落ち込んだ。学校の統廃合が進む中、周辺地域の衰退も懸念される。歴史的価値の高い伝統文化を守り受け継いでいく地域の体制も、少子高齢化のあおりを受けている。

◆データベース 教頭会で構築

 檜山教頭会(間宮真一会長)は6年度、ふるさと教育に関するデータベースを構築した。地域の人的・物的資源を学校相互に利活用し、教育活動の充実・発展を目指す取組。各学校の活動をエクセルにまとめ、連絡ツール・Slackで共有する。学習内容や実施時期、教科との関連性、連絡先など、教育課程に取り入れやすいよう15項目で統一した。

 管内では昇任後3年未満の教頭が3割を超える。教頭職は2、3年で異動が伴い、まとまった引き継ぎ期間は設けられていない。資料を探し、前任者と連絡を取り、地域人材と関係を構築している間にも、日々の教育活動は進んでいく。

 各学校が持つ特色を“管内の共同知”にするため、同会は「つなげる、つながる」を合言葉に据えて研究を推進。学校の教育活動と地域の活動を結ぶハブとなり、地域と共にある学校づくり、学校を核とした地域づくりを目指している。

◆活用本格化へ 各校内で普及

 データベースの活用は7年度から本格化する。教頭間で共有された情報は各校内にも普及。ふるさと教育の推進に当たって複数の教職員で連携し、進捗状況を確認し合う体制を整える。若年層教員、非正規採用教員が比較的多い管内で、社会に開かれた教育課程の重要性を再認識するよう働きかけ、教職員の参画意識を高める考えだ。

◆地域をつなぐ教頭

 同会の稲船志津子研修部長(厚沢部小教頭)は「幼少期のふるさとでの出会いや体験は、大人になっても記憶に残る。子どもの資質・能力向上に必要な学びを提供するため、教頭が“つなぐ役割”を担えたら」と力を込める。

(道・道教委 2024-12-19付)

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