マイスター・ハイスクール成果発表会 地域産業の持続化へ 厚岸翔洋高 スマート漁業等
(道・道教委 2024-12-19付)

厚岸翔洋・マイスター・ハイスクール事業」成果発表会
厚岸翔洋・マイスター・ハイスクール事業」成果発表会

 【釧路発】厚岸翔洋高校(山本十三校長)は17日、同校で「マイスター・ハイスクール事業」成果発表会を開催した=写真=。海洋資源科の生徒40人が参加し、3年間にわたる研究成果を報告したほか「学校と地域の関わりや町の未来」をテーマにパネルディスカッションを実施。生徒たちは、水産資源、漁家経営、地域産業の持続化に向けて取り組んできた研究成果を存分に発表した。

 同校は4年度から3年間、文部科学省のマイスター・ハイスクール事業の採択を受け、本年度で最終年度を迎える。

 発表会は、同事業の成果を全道の高校生、教育関係者・産業人材の育成に関心のある道民に対して普及し、将来の本道産業を支える人材育成につなげることが目的。同校海洋資源科の生徒や教育関係者らを合わせて64人が参加した。

 開会に当たり、山本校長はこれまで生徒たちが地域の産業における課題解決に向けて調査研究を進め、成果の発信やフィードバックを重ねてきたことを振り返り「こうした学びが予測不可能と言われる社会を生き抜き、未来を切り開いていく力になってくれると確信している」と強調。「これまで取り組んできた過程も含め、取組を通して感じたこと、学んだことなどの成果を大いに発信してほしい」と期待を寄せた。

 続いて、事業の管理機関を代表して厚岸漁業協同組合の蔵谷繁喜代表理事組合長が登壇。3年間にわたる取組に敬意を示した上で、事業で培ってきた取組が一過性のものではなく、今後も継続して地域の発展に大きく寄与するものになるよう祈念した。

 続いて、海洋資源科3年の佐藤銀柴さんと新濱蓮さんが3年間取り組んできた取組内容を発表した。

 2人はこれまで①水産資源②漁家経営③地域産業―の持続化に向けた取組の3本柱で取り組んできたことを紹介した。

 ①では、沿岸漁業における漁獲データのデジタル化や、スマートブイなどを活用した海洋環境の把握などを進めてきたことを報告。

 ②では、沿岸漁業者と各種データを共有して資源管理を推進することや、赤潮などの漁場環境の変化への対応などを行ってきたことを伝えた。

 ③では、地元水産物の料理レシピの開発とネット販売による魅力発信や未使用資源の有効活用と商品のブランド化などに取り組んできたことを紹介した。

 このあと、取組の3本柱別に成果を発表したほか「学校と地域の関わりや町の未来」をテーマに、代表生徒、地域、産業界の関係者をパネリストにディスカッションした。

 最後に、事業推進委員会の和田雅昭CEO(公立はこだて未来大副理事長)と道教委の中島俊明教育長が講評。和田CEOは「生徒一人ひとりが目的意識を持って取り組んだこの経験は、それぞれの大きな成長につながった」と強調し「事業期間の3年間で終わることなく、継続した取組になるよう来年以降もフォローアップしていきたい」との考えを示した。

 中島教育長は、生徒たちに対して「今後も様々な学びの中で自らの課題を見つけ、解決策を考える姿勢を持ち続けて、これからの予測できない厳しい時代をたくましく乗り越えていってほしい」と期待を寄せた。

(道・道教委 2024-12-19付)

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