道教委 安平町でスポーツフェス 日ハム・伊藤投手と交流 官民連携で地域クラブを支援
(道・道教委 2024-12-17付)

あびらスポーツフェス伊藤選手
子どもたちと卓球をする伊藤投手(右) 子どもから大人まで多数が駆け付けたトークショー

 【苫小牧発】道教委は15日、安平町立早来学園で「あびらスポーツフェス」を開催した。参加者からの寄付金を地域スポーツクラブに還元する仕組みを検証する初の試み。北海道日本ハムファイターズの伊藤大海投手が子どもたちに野球など4競技の指導を行ったほか、トークショーにも登壇。参加者は憧れのスポーツ選手と触れ合い、スポーツの楽しさを実感する一日となった。

 スポーツ庁の6年度実証事業の一環。安平町教委、NPO法人アビースポーツクラブとの共催。安平町は7年度末までに休日・平日を含めた全ての部活動を地域クラブ化する方針を示しており、将来的な保護者負担軽減の施策として、官民連携によるチャリティーイベントを初開催した。

 安平町の小学生や地域住民ら300人以上が駆け付けた。

 はじめにユニバーサルスポーツの体験イベントを実施した。お年寄り、障がい者、外国人など多くの参加者が集まり、木製の棒を当てて倒したピンの数字や本数を競う「モルック」、ボールの距離を近づけられるかを競い合う「ボッチャ」に挑戦。初めて参加する人もすぐにルールを理解し、世代を超えてゲームに興じた。

 続いて小中学生が野球、バスケットボール、バレーボール、卓球のうち三つを体験する「マルチスポーツ体験」を実施。北海道日本ハムファイターズの伊藤投手のほか、バレーボールVリーグ女子に所属するアルテミス北海道など道内のプロスポーツ選手たちが指導役となり、多様なスポーツを行う楽しさや意義を実感する機会を設けた。

 最後は伊藤投手と安平町教委の井内聖教育長、アビースポーツクラブの島貫裕弥クラブマネージャーが登壇しトークショー「地域スポーツのこれから」を実施した。

 井内教育長は「ある学校の生徒は野球ができて、ある学校の生徒はできないということのないよう、学校にかかわらずスポーツができる環境を整えるため部活動の地域移行を進めている」「来年度で全ての部活動を地域に移行するが、バスケットボールなら大人とも一緒にできるし、音楽なら小学生から大人まで一緒にできる。そういう体制を整えたい」と述べた。

 アビースポーツクラブの島貫氏は「地方の町でもスポーツができる環境を諦めたくない。野球、サッカー、バスケットボールなど人数の多い種目でもやりたいと思ったらやれる環境をつくりたい」「課題は指導者と地区間の移動、財源の確保」と話した。

 伊藤投手は「野球人口が減っており、次代の選手を育てていかないと成り立たないので、こういうイベントはありがたい」「少しでも楽しいと思えるきっかけが大切であり、大人のアプローチが大切。僕らも思いを伝える活動をどんどんしていきたい」などと述べた。

 井内教育長は北海道胆振東部地震を振り返り「避難所になった学校等では子どもたちのスポーツ環境が奪われ、それをきっかけに町の少年団が集まりNPOをつくろうという話になった」、島貫氏は「少年団が連携すれば会場等の調整もできる。地震で人口が減り、団体競技ができなくなる事態が目の前に来ていた」と危機感を募らせた。

 伊藤投手は「ずっと野球ばかりやってきたが、みんなは野球に限らずいろいろなものに挑戦してほしい」「一日に一つの努力でも続けること。それが自信につながる」などと述べた。

 トークショー後は伊藤投手への質疑応答や記念撮影を実施。子どもたちは感激のあまり歓声を上げた。

 最後は会場出口で募金活動を実施。約3万6000円もの募金が寄せられ、アビースポーツクラブの活動費として全額を寄付した。

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あびらスポーツフェストークショー
子どもから大人まで多数が駆け付けたトークショー

(道・道教委 2024-12-17付)

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