道教委 聴覚障がい特支授業実践研 非認知能力 発達に重要 金沢大・武居教授が講演
(道・道教委 2024-12-13付)

聴覚障がい特支授業研究協
聴覚障がい特支授業研究協

 道教委は、9日から2日間、札幌聾学校(四木定宏校長)で聴覚障がい特別支援学校における授業実践研究協議会を開催した。金沢大学の武居渡教授が「仲間とともに、粘り強く、主体的に学びに向かう子どもの育成」と題して講演。意欲や協調性、やり抜く力など「非認知能力」が学力や言語力、キャリア発達に重要であることなどを説いた。

 協議会は、特別支援学校(聾学校等)において、多様なコミュニケーション手段を活用した指導を充実させるため、手話等を効果的に活用した授業の在り方について協議し、手話等を活用した授業を行うことができる教員の養成を図ることが目的。道内の聾学校および支援学校7校から専門性向上に向けた研修を担当する教諭10人が参加した。

 開会に当たって、山内功課長補佐が手話を用いながらあいさつ。道教委において、例年、教員の専門性向上に向けた研修を実施してきたことに触れ、協議会で学んだことを自校での教育実践や研究の推進に生かすよう期待を寄せた。

 引き続き、札幌聾の幼稚部、小学部、中学部それぞれの授業参観、校内や寄宿舎において施設見学を行った。

 講演で武居教授は、聴覚障がいを抱える子どもたちの指導について、教員からの話す量を減らす大切さを指摘。「教員が話し過ぎると、子どもは自ら考えるのではなく、教員が何を求めているかを考えるようになる」「教員が待てば、子どもは自ら話し始める。子どもの発言をすぐに評価しないことが重要」と説いた。

 また、合理的配慮の提供が義務付けられる社会で子どもに必要なこととして「自分の特性をしっかり理解すること」「社会にどのような合理的配慮の提供を求めたら良いか、自分で説明できること」の2点を提示。その上で「子どもたちの自己肯定感を培うためには、多くの成功体験や自己効力感を持たせること、同じ特性を持つ仲間との出会いが大切」と説いた。

 2日目には、参観した小学部第3学年国語科「ことわざと故事成語」を題材に、資質・能力の育成に向けた授業づくり、手話等を活用した効果的な指導の在り方について実践的な協議を展開した。

 参加者からは「子どもの実態に合わせた教材や伝え方、指導方法の工夫、丁寧な実態把握が重要であることを学んだ」などの感想が寄せられた。

(道・道教委 2024-12-13付)

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