同じ目線で 学び深め 共生社会コンファレンス 文科省・道教委 講話や実践発表
(道・道教委 2024-12-11付)

共生社会コンファレンス
共生社会コンファレンス

 【旭川発】文部科学省と道教委は7日、旭川市内の大雪クリスタルホールで6年度「共に学び、生きる共生社会コンファレンスin北海道」を開催した。テーマ「同じ目線で共に学び、生きる~立たない学びカフェ」のもと、障がい者の生涯学習推進に向けた講話や実践交流を実施。108人が参加し、障がいの有無にかかわらず学び続ける社会の在り方について考えを深めた。

 障がい者の生涯学習の機会を全国的に整備することを目的とする文科省の委託事業。17の教育委員会・大学が全国でコンファレンスを開き、障がい者本人の学習発表、好事例の共有や研究協議などを行っている。

 冒頭、道教委社会教育課の伊藤直人課長は合理的配慮の提供が事業者の法的義務になったことに触れ「様々な学習の機会を設ける必要性が高まってきている。障がいのある人もない人も同じ目線で共に学び、今後の社会に生かしてほしい」と呼びかけた。

 続いて文科省障害者学習支援推進室の星川正樹室長が「障がい者の生涯を通じた多様な学習活動の充実について」をテーマに行政説明。特別支援学校に通う子どもたちの90%以上が卒業後に就職または福祉サービスの利用に進む一方、80%以上が学習機会の充実を望んでいるというデータから個性・得意分野を生かした社会参加を実現する必要があるとし「国、学校、民間団体などが役割分担して多様な学びの場づくりを推進するほか、教育、福祉、労働等の分野の連携を強化することが重要」と述べた。

 つぎに「立たない立ち飲みバル」の主宰を務める牧野美保氏が講話。「立って歩くことができないからこそ、その視点から見た物事を世間に伝えたい」との思いから、全員車いすに座って同じ目線で飲食を楽しむ「立たない立ち飲みバル」を始めたとし「できないことをどう価値に変えていくかが大事」と訴えた。

 講話のあとは、立たない立ち飲みバルを模擬体験。みんなで車いすに乗りながら、同じ目線でコミュニケーションを楽しんだ。その後、三つの分科会を行ったほか「誰もが生きやすい未来って?」をテーマにトークセッションを展開した。

(道・道教委 2024-12-11付)

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