【解説】主体性育む探究学習(解説 2025-03-07付)
総合型選抜等の年内入試による大学入学者は全体の5割を超える状況となっている。明確な志望動機と入学後のビジョンが重要であることから、探究的な学びを進路活動に結び付け、生徒の主体性を育む取組の必要性がより高まっている。
報告書では、新制度入試に対応した進路指導の実践事例として、弟子屈高校と市立札幌藻岩高校の2校の取組を紹介している。
弟子屈高では、地学協働を軸に地域の資源・人材を活用した総合的な探究の時間「弟子屈探究」を展開。社会人から話を聞くことで将来の職業観や人生観を醸成し、職業体験発表会で学んだ内容をもとに職業人に関する記事を作成・発表する活動に取り組んでいる。
地域の関係者が積極的に協力する公設民営塾では生徒のニーズに合わせた個別指導を実施。地域探究と自己探究を繰り返しながら進路の実現につなげている。
札幌藻岩高では、総合的な探究の時間で社会や地域で探究する大人との触れ合いから、社会や地域の中でやってみたいこと、向き合いたいことに取り組み、活動の振り返りを通して、将来の生き方や在り方を模索する探究学習を実施。札幌市南区が笑顔あふれる街であり続けるため、地域住民と意見交換しながらその計画を実行に移す取組「MSP」、社会人から現在に至るまでのキャリアに関する話を参考に未来の社会の姿を想像し、そこで生きる自分の姿を創造する「ミライdesign」などの取組を展開しており、生徒の約8割が「自分の強みを認識できた」と回答している。
報告書によると、共通テストで想定以上の高得点が取れた生徒の特徴として「希望進路が明確で強い志望理由がある」が第一に挙がる。意識的な自走型学習の促しによる生徒自身の主体的な学習が成果に結び付いていると分析している。
(解説 2025-03-07付)
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