【解説】特別支援の調整額半減

（解説 2025-04-17付）

　阿部俊子文部科学大臣は１５日の記者会見で、特別支援教育に従事する教師に支給されている給料の調整額を、８年度から２年間をかけて半減する考えを示した。教職調整額の段階的な引き上げに合わせた措置で、教師個人の給与水準は上昇するとしている。

　文科省は教員の教職調整額を７～１２年度までに１０％まで段階的に引き上げる方針を示しており、学級担任や特別支援教育コーディネーターなどの手当加算を合わせ、職責と業務負担に応じた給与体系に見直す予定。

　現状、特別支援学校や特別支援学級に関わる教員を対象とする調整額は平均３・０％程度で支給されている。

　他方で、昨年７月の中教審特別部会の答申では、通常学級にも特別支援教育の対象となる児童生徒が増加し、全ての教師が特別支援教育に関わっていることから見直しを求めていた。

　会見で阿部大臣は、特別支援教育に関わる調整額の見直しについて「教師の給料全体を検討する中、他の教師と比較して一定の特殊性を有していることから、廃止ではなく半減とするものであり、財源捻出を目的にしたものではない」と説明。都道府県教委など関係者に丁寧に説明を行っていくとした。

　教員の処遇改善に関わる給特法改正案の国会審議は１０日から衆議院で開始。法案には教職員間の総合調整を担う「主務教諭」の創設も盛り込んでおり、若手教師へのサポートのほか、特別支援教育、教育相談、情報教育、防災・安全教育などの学校横断的な取組の総合調整を担う予定。

　給料表では教諭（２級）・主幹教諭（特２級）の間に新たな級を創設する見通しで、法案が成立すれば各都道府県・指定都市において関係条例を改正。早ければ８年度から施行になる。

(解説 2025-04-17付)