【解説】情報活用能力など上昇

（解説 2025-04-18付）

　DXハイスクールの６年度採択校において、生徒の情報活用能力、主体性、協働性、課題解決能力が大きく上昇していることが、文部科学省の調べで分かった。特に情報活用能力の伸び率は他の生徒と比べて３・２倍の差が見られ、最先端のICT機器や専門的な外部人材を活用した学びの効果が表れている。

　調査は６年度の採択校に対し、DXハイスクールによる取組の対象生徒と対象外生徒にそれぞれ実施。６年度の開始時および終了時における成果指標の伸び率を比較した。

　結果、文字・音声・静止画・動画などを組み合わせてコンテンツを制作する力、データの傾向・特性を見いだす力などの情報活用能力が大きく上昇。情報活用能力の伸び率は他の生徒と比べて３・２倍で、特に「プログラミングなどのデジタル技術を主体的に学ぶ資質・能力」に関しては約４倍の差が見られた。

　主体性や協働性に関する数値も大きく上昇しており「社会問題への関心」「協働して活動に取り組む力」「情報の整理・分析、表現力」の伸び率は他の生徒と比べ１・９倍の差があった。

　道内に目を向けると、基幹産業である農林水産業に特化した取組も進みつつある。更別農業高校は６年度、農薬・肥料を散布するドローン、ＡＩを搭載したウシ向けウエアラブル端末などGPSやクラウドを組み込む最先端のICT機器を導入。小樽水産高校では水上ドローンを活用した海面調査や養殖場の把握などに取り組んでおり、次世代の技術を習得する新たな授業が展開されている。

　文科省は、採択校における大学理系学部の平均進学率を２０・７％から今後５年間で２６・２％まで引き上げる目標を設定。大学に成長分野への学部転換を促すとともに進学者の確保につなげるとしている。

(解説 2025-04-18付)