【解説】外国人留学生が過去最多
(解説 2025-05-07付)

 日本学生支援機構は、日本人学生の海外留学状況および外国人留学生の在籍状況調査結果を公表した。日本人学生の5年度留学者数は前年度比53・3%増の8万9179人と大幅に増加し、中でも中国や台湾への留学が増えている。外国人留学生は20・6%増の33万6708人と過去最多となり、アジア圏の国・地域で大幅に増加した。

 日本人学生の海外留学者数は平成28年度の11万5146人をピークに下降。コロナ禍が始まった令和2年度には1487人まで落ち込んだが、入国制限の緩和後に回復基調にある。

 留学者が最も多い国・地域は米国の1万3517人で、次いでオーストラリアの9163人、韓国の8384人などと続く。前年度との比較では、中国が651・3%増、台湾が181・5%増と大幅な伸びを見せている。

 また、文部科学省がOECDなど各種統計をもとに最新の状況を取りまとめた結果、日本人学生の留学者数の多い国・地域は米国が1万6054人、台湾が7323人、中国が7078人で、いずれも増加していることが分かった。

 外国人の留学生数が最も多い国・地域は中国の12万3485人。つぎにネパールの6万4816人、ベトナムの4万323人。

 このうちミャンマーは前年度と比べ113・5%増、スリランカは79・9%増、ネパールは71・1%増と増加傾向にある。これらの国はバングラデシュ、インドネシア、モンゴルとともにコロナ禍前を上回る数となった。

 在学段階別にみると、準備教育課程(日本の大学入学資格となる12年の教育課程未修了者に行う課程)を除く全ての学種で外国人留学生数が増加。日本語教育機関に関しては、調査を開始した平成21年度から過去最多の数字となった。

(解説 2025-05-07付)

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