【解説】校務DXで市場活性化(解説 2025-05-08付)
ICT市場調査コンサルティングの㈱MM総研は、校務DXに向けたICT環境整備動向調査を公表した。校務支援システムのサービスはEDUCOMが33%と最も多く、スズキ教育ソフトが27%、内田洋行が8%と続いた。新規参入の新製品の発表も多く、校務DXを契機に市場が活性化していると分析する。
調査は全国の1741市区町村教委を対象に実施。調査期間は2、3月。
次世代校務支援システムの導入状況は「検討中・未検討」の教育委員会が6割、「導入予定」が3割、「導入済み」が1割。国の実証事業に参加した山口県、秋田県、岩手県が高い一方、検討が進んでいない自治体が過半数を占めた。次世代校務支援システムは、個人情報の流出を防止する強固なセキュリティー対策を講じることで、校務・学習系ネットワークを統合する仕組み。ロケーションフリーによる校務環境や、教職員の働き方改革に資することが期待されている。
次世代校務支援システムの共同調達に賛成する市区町村は全体の71%。都道府県の対応状況を尋ねると「具体的な動きがある」が28%、「実施予定と聞いている」が28%、「何も知らされていない」が45%だった。
校務・学習系ネットワークを統合する方針の自治体は44%で2年前から34ポイント上昇。一方、ネットワーク分離を維持する自治体も45%ありほぼ半々となっている。
学習eポータルの導入率はNTTコミュニケーションズが45%、内田洋行が36%、オンライン学習システム推進コンソーシアムが7%。
校務での生成AI利用率は17%。利用ツールはグーグル(ジェミニ)が46%、オープンAI(チャットGPT)が42%、マイクロソフト(コパイロット)が34%となっている。
(解説 2025-05-08付)
その他の記事( 解説)
【解説】業務管理 実効性が鍵に
給特法等改正案は衆議院を通過し、参議院での審議に入る。修正案では教員の処遇改善と併せて時間外勤務の削減措置を新設。教育課程編成の在り方に関する専門的議論を深めるとともに、教職員定数の改善な...(2025-05-16) 全て読む
【解説】4人に1人が誤情報拡散
総務省はICTリテラシーの実態調査結果を公表した。偽・誤情報と接触した人の47・7%が正しい情報と認識し、4人に1人が何らかの手段で誤った情報を拡散したことが分かった。 偽・誤情報の認...(2025-05-15) 全て読む
【解説】探究活動との一定的評価を
情報活用能力はタイピングなどデジタル機器の基本操作に始まり、情報を収集・整理・分析する活用力、情報技術への特性理解など多岐にわたる。SNSの普及は多様な意見から隔離されるフィルターバブル、...(2025-05-14) 全て読む
【解説】業務持ち帰り改善へ
給特法等の改正案が9日、衆議院文部科学委員会で審議された。教員の時間外在校等時間の縮減、中学校の35人学級実現などの目標を付帯決議として盛り込む修正案を協議。石破茂首相は今後、教員の業務の...(2025-05-13) 全て読む
【解説】スポーツでまちづくり推進を
スポーツ庁・経済産業省が設置するスポーツ未来開拓会議は4月下旬、スポーツ市場の成長産業化を見据えた当面の取組を取りまとめた。eスポーツの促進など成長分野における施策を提言。まちづくりや地域...(2025-05-12) 全て読む
【解説】外国人留学生が過去最多
日本学生支援機構は、日本人学生の海外留学状況および外国人留学生の在籍状況調査結果を公表した。日本人学生の5年度留学者数は前年度比53・3%増の8万9179人と大幅に増加し、中でも中国や台湾...(2025-05-07) 全て読む
【解説】読書活動の在り方に変化
読書活動は読解力、思考力、表現力を養う上で大きな役割を果たしている。OECDの調査によると、読書を肯定的に捉える生徒、本を読む頻度が高い生徒ほど読解力が高いことが明らかになっている。 ...(2025-05-01) 全て読む
【解説】デジタル併願制へ事例創出
文部科学省とデジタル庁は、公立高校入試における単願制是正のため「デジタル併願制」の導入に向けた検討を開始する。生徒の希望する進学先につなげられるメリットがある一方、定員割れが進む可能性も懸...(2025-04-30) 全て読む
【解説】技術科免許外教員 道内223人
文部科学省の6年度調査結果によると、全国の技術科担当教員のうち25%の2377人が臨時免許状所有者または免許外教科担任であることが分かった。4年度の前回調査と比べ2ポイント上昇した。札幌市...(2025-04-28) 全て読む
【解説】楽しさ実感できる授業を
調査報告書では、道教育大学札幌校の中島寿宏教授、同旭川校の高瀨淳也教授による今後の方向性に関する意見を掲載している。 中島教授は、これまで北海道の課題だった下半身の動きを伴う記録が、男...(2025-04-25) 全て読む