【解説】教師の環境整備へ緊急声明(解説 2025-11-17付)
中教審初等中等教育分科会の貞広斎子部会長は12日、松本洋平文部科学大臣に「教師を取り巻く環境整備に向けた緊急声明」を提出した。中学校の35人学級の実現、不登校対応に必要な教職員定数の改善など、学校における働き方改革を加速化させる人員体制の整備を求めた。
6月に改正給特法が成立。付則では8年度からの中学校35人学級の法制上の措置を講じるほか、11年度までに教員の時間外在校等時間を月平均30時間程度まで削減する目標が盛り込まれた。
緊急声明では、教師を取り巻く環境整備を着実に進めるには、教員のみならず事務職員や支援スタッフの指導・運営体制の整備が必要と指摘。全ての子どもたちにより良い教育を提供する取組を求めた。
要望事項は4項目。第1に、中学校35人学級の実現に向けた義務標準法改正案を国会に提出すること、第2に不登校対応や多様な教育課題に対応するための教職員の基礎定数改善を要望した。
第3として、教員業務支援員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどの支援スタッフの配置充実、さらに不当な要求を行う保護者対応の支援、部活動の地域展開を円滑に進める財政援助を求めた。
第4として、幼児教育から高校段階を含む中長期的な指導・運営体制の整備の在り方を要望。8年度予算概算要求で盛り込んだ新たな定数改善計画の進捗や次期学習指導要領の議論などを踏まえ、幅広い視点で検討を求めた。
中学校の35人学級の導入に伴い8年度から3年間をかけて段階的に進める。文科省は3年間の教員定数の改善に1万7400人を見込んでおり、8年度は5800人の改善を求めている。
(解説 2025-11-17付)
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