【解説】社教人材養成講習を再編(解説 2025-11-19付)
文部科学省は17日のワーキング・グループで、社会教育主事・社会教育士養成の枠組みを再編する検討に着手した。それぞれに求められる役割を踏まえ養成講習のカリキュラムを再構築し、広がり続ける社会教育の裾野に対応する。
社会教育士の称号は2年度から創設され、6年度までの称号付与数は合計9693人。NPOや企業など多様な主体と連携・協働し、環境、福祉、まちづくりなど多様な分野で人づくりや地域づくりに携わる役割が期待される。首長部局、民間企業、学校、地域コミュニティーと社会教育の裾野が広がり、社会教育の担い手が多様化している。
一方、現行の社教人材養成カリキュラムは行政の専門職の育成を前提に構成されており、多様なフィールドで活動する社会教育士志望者とのニーズのミスマッチが発生。社会教育の裾野の拡大に対応し切れていない現状が指摘されていた。
このため「地域全体の学びのオーガナイザー」である社会教育主事と「各分野の専門性を様々な場に生かす学びのオーガナイザー」である社会教育士、それぞれの役割に応じた養成方法を検討する。
たたき台では、社会教育士の養成を社会教育主事養成科目の「1階部分」と共通化し、社会教育人材に必要な基礎的内容として位置付けることが提案された。主事の「2階部分」では、社会教育計画の立案や人材ネットワークの構築など、行政職として求められる知識・技術の修得を一層重視する。
今後、講習を行う教育委員会や大学などとの調整を経て、具体的な科目・内容を検討する。8年6月以降に講習の規定などを改正。その後周知・準備期間を設け、新カリキュラムを施行する予定。施行時期は未定だが、早ければ9年度になる見通し。
(解説 2025-11-19付)
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