産官学で人材像共有を
(解説 2026-01-29付)

 文部科学省は、高校教育改革に関する基本方針(仮称・グランドデザイン)骨子に対する関係団体の意見結果をまとめた。先導校のみならず公立校全体の充実・底上げを求める声や、地域の産官学が一体となって目指すべき人材像を共有し「人材育成計画」を立案することが提案された。

 2040年には少子高齢化に伴う労働力の受給ギャップが生じ、AI・ロボットなど理系人材の不足が予想されている。文科省は社会変化を見据え、高校・大学・大学院に至る教育改革を計画。高校では、8年度から各都道府県に基金を設置し、改革を先導する拠点校を設置する「ネクストハイスクール構想」に着手する。

 全国高校長協会は、稼げる力(労働市場価値)の育成に向け、AI・データ、科学技術、地域創生などの専門コース化が必要とし、教科横断的な学びによる普通科の特色化、専門高校への重点支援などを求めた。

 全国特別支援学校長会は、ICTやDX活用が障がいのある生徒の就労機会拡大につながるとし、特別支援教育との連動によって全ての生徒に学びの質と進路の幅が大きく広がる可能性を説いた。

 経済界からは社会実装を意識した意見が相次いだ。経団連は、将来ビジョン、産業構造、必要な人材規模など地域ごとの「出口」を見据えた人材の育成が不可欠と主張。地域ニーズに即した人材育成計画の立案を求めた。日本商工会議所は偏差値重視の入試制度の課題に触れ「探究学習や課外活動による学び、人間力などの資質を多面的に評価する仕組みを構築することで、高校教育の充実が可能になる」と意見した。

 基本方針は本年度中に決定する。各都道府県で実行計画を策定し、9年度から国の交付金の支援が始まる見通し。

(解説 2026-01-29付)

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