【解説】待機児童、5年ぶり増加(解説 2015-10-02付)
認可保育所などに申し込んでも満員で入所できない全国の「待機児童」が、四月一日現在で前年同期比一千七百九十六人増の二万三千百六十七人と、五年ぶりに増加したことが厚生労働省の集計で分かった。保育所等を増やした結果、定員は一年間で約十四万六千人増えたが、申込者も約十三万人増え、解消には至らなかった。北海道は百八十二人で、二百九十一人減と大幅に減少した。
全国の保育所等数は二万五千四百六十四ヵ所で、前年に比べ一千三十九ヵ所増加。定員は二百六十二万七千三百八十一人。本年度から始まった「子ども・子育て支援新制度」に伴い、前年同期の二倍に当たる十四万六千二百五十七人増えた。
一方で、利用申込者数も約二百四十七万人で、前年同期の二・五倍の十三万一千四百十人増加。
待機児童数は、一千七百九十六人増の二万三千百六十七人と五年ぶりに増加。このうち、〇~二歳児の低年齢児が一万九千九百二人で八五・九%を占めている。
待機児童がいる市区町村は全市区町村の二一・五%に当たる三百七十四と前年から三十六増加、前年より十六多い百十四の市区町村で五十人以上の待機児童を抱えている。全体でみると、定員増が申込者数増を上回ったが、地域によっては施設に空きがない自治体も増えたため、待機児童の解消に結び付かなかったと思われる。都道府県別では、東京都が七千八百十四人で最多、北海道は百八十二人で十九番目に多かった。
道内では、札幌市が六十九人で前年に比べ二百五十四人減と大きく減少。一年間で定員を二千六百十一人人分増やしたことが奏功した。旭川市は二十九人減の五十七人。函館市は昨年に続きゼロ。三市を除いた道内市町村の待機児童は稚内市、倶知安町など七市町の五十六人となっている。
(解説 2015-10-02付)
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