【解説】ＳＣ、ＳＳＷを学校正規職員に

（解説 2015-07-27付）

　文部科学大臣の諮問機関・中央教育審議会の部会は、外部の多様な人材を活用し、複雑化する教育課題に対応する「チーム学校」について、中間報告をまとめた。いじめや不登校に悩む児童生徒の相談に乗るスクールカウンセラー（ＳＣ）やスクールソーシャルワーカー（ＳＳＷ）の職務を明確にし、学校の正規職員として国庫負担の対象とすることや、部活動の指導などを行う「部活動支援員」（仮称）の創設などを打ち出した。

　文部科学省によると、全国の小中高校約三万五千校のうち、二十五年度に国の補助で配置されたＳＣは約七千人、ＳＳＷは約一千人にとどまる。このため中間報告は、ＳＣとＳＳＷを法令で正規の学校職員に位置付け、人件費を国庫負担の対象とすることや、将来的にはすべての小中学校に配置するよう求めた。

　部活動をさらに充実していくという観点から、教員に加え、部活動の指導、顧問、単独での引率などを行うことができる新たな職の在り方について検討する必要があると指摘。具体的には、それらを担う部活動支援員（仮称）を創設。教育委員会に対し必要な研修を行うよう要請した。

　また、ＩＣＴ活用スキルを備えたＩＣＴ支援員を養成し、学校への配置を拡充する。さらに、地域の力を生かした学校教育の充実やマネジメント力の向上を図るため、学校内において地域との連携の推進を担当する教職員を「地域連携担当教職員」（仮称）として、法令上明確化するよう検討を進める。

　このほか、学校のマネジメント機能の強化に向け校長がリーダーシップを発揮できる体制の整備や、教職員の人材育成や業務改善等の取組の推進などを盛り込んだ。今後、年内にまとめる最終報告に向けて、さらに協議を進めていく。

(解説 2015-07-27付)