【解説】虐待死4割超がゼロ歳児
(解説 2015-10-15付)

 二十五年度に虐待(心中を除く)によって死亡した子どもは三十六人だったことが、虐待による死亡事例等の検証を実施する厚生労働省の専門委員会の第十一次報告で明らかになった。うち、ゼロ歳児が四割以上を占めており、同委員会では「妊娠期から支援を必要とする養育者の早期把握と切れ目のない支援の強化」を求めている。

 厚労省が、関係都道府県(指定都市および児童相談所設置市を含む)に対する調査によって把握した。

二十五年度に心中以外の虐待によって死亡したのは三十六件三十六人で、前年度(四十九件五十一人)より十三件十五人減少。死亡した子どもの年齢は、ゼロ歳児が十六人(四四・四%)と最も多く、ゼロ~二歳児が二十四人(六六・七%)と大部分を占めた。

 虐待の種類は、「身体的虐待」が二十一人(五八・三%)、「ネグレクト」が九人(二五・〇%)。直接の死因は、「乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)」(疑い含む)の六人を含む「頭部外傷」が十一人(三九・三%)で最多。

 主たる加害者は、「実母」が十六人(四四・五%)と最も多く、次いで、「実父」が八人(二二・二%)、「実母と実父」が五人(一三・九%)だった。

 実母の抱える問題(複数回答)としては、「妊婦健診未受診」と「望まない妊娠」が多く、加害の動機は、「しつけのつもり」や「泣き止まないことにいらだったため」など。

 一方、心中による虐待死(未遂を含む)は、二十七件三十三人(前年度二十九件三十九人)だった。

児童相談所の関与は、心中以外の虐待死事例が十三例(三六・一%)、心中が四例(一四・八%)で、市町村(児童福祉担当部署)の関与は、前者が十例(二七・八%)、後者が四例(一四・八%)だった。

(解説 2015-10-15付)

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