【解説】道徳の教科書検定で報告書
(解説 2015-07-29付)

 三十年度以降に小中学校で道徳の時間が「特別の教科・道徳」と新たに位置付けされることを受け、文部科学省の教科用図書検定調査審議会は二十三日、公正性や多面的・多角的な見方などを盛り込んだ教科書検定基準に関する報告書をまとめた。文科省は、この報告書をもとに、ことし九月にも検定基準を告示する方針。

 報告書では、学習指導要領における「考える道徳」「議論する道徳」への転換によって、児童生徒の道徳性を育むことを目指しており、教科書もこの趣旨を踏まえた教材となる必要があるとした。

 具体的な題材として、学習指導要領で示された「生命の尊厳」や「社会参画」(中学校のみ)、「伝統と文化」などの七項目をすべて取り上げるよう要請。さらに、「言語活動」、「問題解決的な学習」や「道徳的行為に関する体験的な学習」について、適切に配慮されていることを求めた。

 多様な見方や考え方ができる事柄を取り上げる場合には、特定の見方や考え方ではなく、公正であるとともに、児童生徒の心身の発達段階に即し、多角的・多面的に考えられることができるよう、十分配慮する必要があることも指摘。

 国際理解や国際協調の視点から、国際的な視野も含めて、広く題材の選択などを行うことが望ましいとした。

 教科書に掲載される各教材、中でも、主な記述(読み物教材など)については、学校での指導上の観点から、道徳科の内容項目との関係が明示されていることが必要とした。

 このほか、留意すべき点として、『わたしたちの道徳』などの文科省作成教材等の様々な教材の良さを生かすこと、家庭や地域社会と連携した道徳教育にも資するものとなることなどを示した。

(解説 2015-07-29付)

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