道議会文教委員会の質問・答弁概要(27年6月15日)
(道議会 2015-07-28付)

 道議会文教委員会(二十七年六月十五日開催)における山崎泉委員(北海道結志会)、加藤貴弘委員(自民党・道民会議)の質問、および道教委の山本広海教育部長、杉本昭則学校教育監、梶浦仁学校教育局長、成田祥介新しい高校づくり推進室長、加賀学施設課長、竹林亨学校教育局参事(生徒指導・学校安全)、松本邦由新しい高校づくり推進室参事(高校配置)、相馬哲也新しい高校づくり推進室参事(改革推進)、道の高橋朋江総合政策部政策局参事の答弁の概要はつぎのとおり。

◆公立高校配置計画案について

山崎委員 結論から言えば、高校配置を見直した方がいいという意見をもっている。

 道教委では、十八年に高校教育に関する指針を策定し、これに基づき再編整備を進めてきていると承知している。会議等の中で地域要望、不満や不安が相当数あったと思うが、そういった声を生かしてきたのか、指針の策定に当たって、特に再編整備の影響を受ける小規模校が多い地域の意見に対して、どのように配慮したのか伺う。

松本新しい高校づくり推進室参事(高校配置) 高校教育に関する指針について。現行の「指針」は、中学校卒業者数の減少などに対応し、本道の将来を担う人材を育成するための高校教育の基本的な考え方と施策を示したものであり、高校の配置は、この指針に基づき、生徒の学習環境の充実を図ることを基本に、広域な本道における都市部と郡部の違い、中学校卒業者数、本道の基幹産業との関連、地域の実情などを考慮しながら進めることとしている。

 指針の検討に当たっては、市町村関係者やPTA、大学教授等の外部有識者によって構成される「高校教育推進検討会議」からの答申を踏まえるとともに、「地域と意見を聞く会」を開催したほか、パブリックコメントなど通じて、地域の方々の意見を十分に伺いながら策定した。

山崎委員 十八年に策定した指針に基づき、再編整備の対象の地元に対して、どう配慮されているのか伺ったが、何も配慮されていない。学校を残してほしいという地元の思い、地元の意見を考えないといけないと思っている。

 地方への配慮として地域キャンパス校制度が新たに導入されたが、キャンパス校になったら、この高校はなくなると地域は受け止めている。キャンパス校の生徒数が増加した場合、通常の学校に復活するなど、小規模校に配慮した制度になっているのか伺う。

松本新しい高校づくり推進室参事(高校配置) 地域キャンパス校について。指針では、本道の広域性などを考慮し、地理的状況等から再編が困難な場合などには、小規模校であっても、地域キャンパス校として、センター校から派遣される教員による出張授業などによって、教育環境の充実を図ることとしている。

 これまで、地域キャンパス校の導入後、地域キャンパス校ではなくするような取扱いとした例はないが、急激な中学校卒業者数の増減や生徒の進路動向に大きな変動が生じた場合は、配置計画を再検討することとしている。

山崎委員 道教委の言う考慮・配慮というのは、教育的観点からのものだけではないか。地域に学校を残していくというのが地元からの一番の声なのだから、そういう観点ももつべきだと思う。

 それが、人口減少問題対策となり、道としても総合戦略を策定するのだから、学校がなくなるという社会減の要因に対して、配慮が必要と感じている。

 人口減少問題といった視点からの高校配置について、どのように考えているのか伺う。

松本新しい高校づくり推進室参事(高校配置) 人口減少の影響について。人口減少や少子化が進み、中学校卒業者数の減少が続く中、一定規模の生徒や教職員による活力ある教育活動を展開していくためには、高校の再編は避けて通れない課題であると認識している。

 道教委としては、一学年四から八学級を望ましい学校規模とし、再編を進めることとしているが、その場合にあっても、一律に行うのではなく、本道の広域性や地域の実情などにも十分に考慮する必要があると考えている。

山崎委員 教育的観点からの考慮・配慮は承知している。人口減少という地域事情の観点から、本道は本州と異なるため、違う観点における考慮・配慮が必要だと思う。

 道教委は高校を残すという姿勢をもっていくべき。市町村は存続について考えているのだから、積極的に応援していくことが必要だと思うが、見解を伺う。

相馬新しい高校づくり推進室参事(改革推進) 小規模校の教育環境について。小規模校では、確かな学力や社会的・職業的自立に向けた能力が育成できるよう、地域の人材や自然、産業などの教育資源を取り入れた特色ある教育課程を編成し、地域に根ざした教育活動を展開している。

 道教委としては、こうした取組を支援するため、学力向上やキャリア教育などの研究指定や一学年一学級の高校に対する道単独の教職員の加配措置、近隣の道立学校が相互に教員を派遣する道立高校間連携などを行っており、今後とも、小規模校においても、生徒の多様な学習ニーズに対応できるよう教育環境の維持充実を図り、魅力ある学校づくりに努めていく。

山崎委員 都市部の一極集中などの施策・政策を道も自治体も考えていく中で、学校問題は避けては通れない問題である。

 人口減少問題を踏まえながら、指針を見直していく必要性があると考えている。

 人口減少問題と配置計画を教育的観点を除いて、道教委はどのようにとらえているのか、あらためて伺う。

成田新しい高校づくり推進室長 高校配置について。中学校卒業者数の減少が続く中、教育的観点からの望ましい学校規模を維持し、教育水準の維持向上を図るため、高校の再編整備を進めているが、その際、地域からは、高校の配置は教育や文化だけではなく、経済や産業など地域に影響を及ぼす、小規模校の再編については、慎重な検討が必要であるといった意見をいただいており、高校存続に向けた地域の方々の強い思いについては、道教委としても受け止めさせていただいている。

 人口が減少する中にあっても、高校はそれぞれの地域の実情に応じて適切にその役割を果たしていくことが大切であり、地元市町村や地域の方々との協議などを通じ、人口減少が地域に及ぼす影響や課題について認識を共有しつつ、地域ごとの特性や実情、高校に対する地域の期待なども十分考慮して、高校配置計画を策定していく。

―要望―

山崎委員 教育的観点ではなくても、人口減少を含めて地域からのそういう声があると答弁された。高校配置計画について十分考慮して策定すると答弁されたわけだから、ぜひとも実行していただきたい。

山崎委員 今後は、広い本道を考えれば、札幌と帯広が違ってもいい、帯広と郡部が違ってもいい、もしくはもっと細かくてもいい、地域事情に配慮しながら考えていくことを高校配置計画に入れていく必要があると思う。

 地域事情を含めながら、異なる基準で考えていくことを、人口減少も踏まえながら、今後どのように進めていくのか見解を伺う。

杉本学校教育監 地域性への配慮について。本道は広域で多様な地域から形成され、それぞれの地域事情も大きく異なっており、都市部と郡部の高校では、学校・学科の配置状況、通学事情、地域とのかかわりなどの面で相違があると認識している。郡部には、自治体に一つの高校しか存在しない場合が多いこと、地理的状況等から再編が困難である場合があることなど、都市部と異なる状況があり、また、人口減少が及ぼす影響の度合いも異なることから、これら都市部と郡部の相違など、地域の実情を十分考慮していく考えである。

◆耐震改修状況調査の結果

加藤委員 全国の公立小中学校における耐震化率は、九五・六%であるのに対し、北海道は八八・二%で、五・三ポイント上昇しているものの、依然として全国より七・四ポイント低い状況であった。

 文部科学省では、今回の調査の結果から、公立学校施設の耐震化について、今後、より一層積極的な取組が必要と考えられる市町村に対し、「耐震化の加速に関する大臣の書簡」を発出し、耐震化の加速について要請を行うと聞いており、対象となった道内の市町村は、十四市一町の十五団体となっていると承知している。

 一方、耐震化に向けた国の財政支援措置が本年度までとなっており、財政状況が厳しいこの北海道においては、市町村の耐震化が鈍化しないか危惧する。そこで、何点か伺う。

 本年度は、国の耐震化完了の目標としてきた最終年度と承知しているが、二十七年度末の北海道の公立小中学校耐震化率は、一体どの程度になる見込みなのか伺う。

加賀施設課長 二十七年度末の耐震化率について。本年度中に三十九市町の百二十一校二百六十四棟が耐震化される予定で、これによって、道内小中学校の全体棟数五千二百二十三に対し耐震性のある棟数が四千八百七十三棟となることから、二十七年度末の小中学校の耐震化率は、本年度の調査時点と比べ五ポイント高い約九三%と見込んでいる。

加藤委員 二十七年四月一日現在で耐震化が完了していない市町村数が六十三市町村、耐震性のない棟または耐震診断未実施棟のある学校が二百九十四校あるとの報告である。

 耐震化が完了していない主な理由は、厳しい財政状況、学校の統廃合などとのことであるが、災害の際に児童生徒の安全を守ることを考えれば、そのような理由では、保護者は決して納得できない事案であると思う。

 市町村の学校は、各地域の災害時における応急避難場所に指定されていると承知している。

 そこで、耐震化されていない二百九十四校のうち、何校避難所に指定されているか伺う。

加賀施設課長 避難所に指定されている学校数について。二十七年四月一日現在、耐震性のない棟または耐震診断が実施されていない棟のある学校数は二百九十四校であり、このうち約九八%に当たる二百八十七校が避難所に指定されている。

加藤委員 避難所となる施設が耐震化されていないのは、学校統廃合などの問題があるにせよ、あまりにも市町村の危機管理の意識が欠如しているのではないかと言わざるを得ない状況である。

 市町村にとっては学校統廃合は、慎重に検討すべき問題であるが、耐震化は早期に完了すべきと考える。

 耐震化されていない二百九十四校を所管している市町村では今後、耐震化に向けてどのように取り組んでいくのか伺う。

加賀施設課長 市町村の取組について。耐震化が完了していない小・中学校二百九十四校を所管する市町村の耐震化の実施予定は、対象となる学校が市町村によって複数あることから数値は重複するが、二十七年度中が三十九市町で百二十一校二百六十四棟、二十八年度中が三十市町で五十二校八十七棟、二十九年度以降が三十六市町で百二十一校二百六十三棟となっている。

加藤委員 昨年のわが会派の同僚委員の質問を受け、教育長自ら市町村に出向き、直接、市町村長等に対して耐震化を要請するとのことであったが、その効果はどうだったか。

加賀施設課長 耐震化にかかる要請の結果について。道教委では、昨年五月から十一月にかけて、耐震化年次計画が遅れている三十七市町村を対象に教育長をはじめ幹部職員が市町村等に対し、直接、耐震化に向けた要請を行った。

 その結果、二十七年度末までに耐震化事業を前倒し、完了することとなったのが、二町で小学校二校、中学校一校、建物の一部の耐震化事業を前倒しすることとなったのが、五市町で小学校五校、中学校五校であり、合計七市町、十三校で事業の前倒しが行われた。

 また、二十八年度以降となるが、四市町村で耐震化年次計画の見直しを行い、小学校十一校、中学校三校、合計十四校で当初計画より早期に耐震化事業を行うこととなった。

加藤委員 地方教育行政法の改正によって、知事が主宰する総合教育会議の設置がすべての地方公共団体に義務付けられるなど、教育政策について、知事が密接にかかわることとなった。

 このような中、公立学校の耐震化についても、道教委だけではなく、知事として積極的に取り組むべき重大な課題であると考えるが、見解を伺う。

高橋政策局参事 耐震化の取組について。道内の公立学校における耐震化の推進は、総合政策部としても、喫緊の課題であると考えており、耐震化の完了していない市町村で、早急に耐震化が図られるよう、知事と教育長との連名による要請を行うほか、市町村の財政負担軽減のため、国に対して国費補助率の嵩上げの継続を要望するなど、道教委と連携しながら、耐震化の一層の促進に努めていきたいと思う。

加藤委員 本年度は、国の耐震化の目標の最終年度である。各市町村にとっても未来の子どもたちは大きな財産であり、子どもたちの安全を確保する学校の耐震化は最優先に取り組むべきと考える。

 また、先ほどの答弁で二百八十七校もの学校が避難所に指定されていることを考えると、建物だけではなく、吊り天井など非構造部材の落下防止対策の遅れについても課題があると考えている。

 これらを含めて、学校施設の耐震化はできる限り早期に完了させなければならない。

 全国の平均に比べ耐震化が遅れている市町村の状況を踏まえ、道教委として今後どのように取り組んでいくのか見解を伺う。

山本教育部長 今後の取組について。国が耐震化完了を目標とする最終年度を迎える中、いまだ完了していない市町村が数多く残っていることは、大変重く受け止めている。

 学校施設は、児童生徒が一日の大半を過ごす場であり、地震等の災害発生時には、避難所としての役割も果たすことから、校舎の耐震化はもとより、吊り天井等の非構造部材の落下防止対策は、何よりも最優先して取り組む課題であると考えている。

 道教委としては、このたびの結果を受けて、直ちに早期の耐震化完了を促す通知を発出するとともに、本年度からは、耐震化年次計画の進捗状況を随時把握した上で、事業の前倒しなどを強く求めていきたいと考えている。

 また、引き続き、教育長をはじめ幹部職員が市町村に出向き、直接、首長等に対して耐震化などを要請するとともに、国に対して、市町村からの強い要望もあるので、これを踏まえ、知事部局と連携して、補助率の嵩上げの継続を働きかけるなどして、学校施設の耐震化完了に向け、最大限努力していく所存である。

◆通学路の安全確保について

加藤委員 今月二日、岩見沢市において、横断歩道の近くにいた登校途中の児童の列に、交差点で衝突事故を起こした軽乗用車が突っ込み、四人の児童が負傷するという事故が起きた。

 子どもたちの命に別条なかったことは不幸中の幸いであったが、子どもたちや保護者にとって大きな不安を与える事件となった。

 そこで、通学路における安全確保について、数点伺う。

 まず、岩見沢市の事故について。事故現場は普段から交通量が多く、保護者からは危険な場所と言われていたと伝えられている。

 この場所の安全性について、教育委員会および学校としてはどのように認識していたのか伺う。

竹林学校教育局参事(生徒指導・学校安全) 事故が発生した現場について。岩見沢市の学校や教育委員会、警察、道路管理者等で構成する「通学路安全推進会議」が二十六年の七月と八月に実施した通学路の合同点検において、この交差点付近は、交通量が多く、信号機もないため、対策が必要な場所として指定をしていたと承知している。

―再質問―

加藤委員 危険性のある場所という認識をもっていたということであるが、安全確保は具体的にどのような対応をしていたのか伺う。

竹林学校教育局参事(生徒指導・学校安全) 安全確保の対応について。市の教育委員会では、合同点検のあと、小学校ごとの点検の結果や対応策を関係者間で共有するため「対策一覧表」にまとめ、「対策個所図」を作成し、Webページに公表している。

 また、学校においても、安全マップを作成し、児童生徒に指導するとともに、保護者にも周知し、特に、このたび、事故が発生した場所においては、保護者と当該学校の教員による見守り活動を継続的に実施していた。

加藤委員 今回の事故は、通学途中の事故ということであったが、通学路における、登下校中の児童生徒が巻き込まれた交通事故の二十六年度の発生状況について伺う。

竹林学校教育局参事(生徒指導・学校安全) 登下校中の交通事故について。道教委では、児童生徒が交通事故によって、全治一週間以上のけがを負った場合には報告を求めており、札幌市立学校を除く道内の公立学校からは、二十六年度、二十七件の報告があった。

 学校種別では、小学生が十二件、中学生が同じく十二件、高校生が三件であり、事故の内容別では、歩行中に車などと接触した事故が十八件、自転車乗車中に車などと接触した事故が九件あった。

―再質問―

加藤委員 それでは、ことしの一月から現在までの登下校中の児童生徒が巻き込まれた交通事故の発生状況については、どのようになっているのか伺う。

竹林学校教育局参事(生徒指導・学校安全) ことしの状況について。ことしの一月からの児童生徒の交通事故は、岩見沢市の事故を含め十件である。

 学校種別では、小学生が五件、中学生が二件、高校生が三件であり、事故の内容別では、歩行中に車などと接触した事故が八件、自転車乗車中に車などと接触した事故が二件あった。

加藤委員 昨年度が二十七件、ことしに入ってからこれまでですでに十件の事故が発生しており、依然として後を絶たない状況である。道教委としては、通学路の安全確保について、これまで、どのような取組を行ってきたのか伺う。

竹林学校教育局参事(生徒指導・学校安全) 安全確保のための取組について。道教委としては、二十四年度以降、各市町村教育委員会や学校に対して、定期的な通学路の合同点検の実施などについて通知し、安全対策の改善・充実について指導助言するとともに、全道三会場で「学校安全教室」を開催し、各学校の通学路の点検や危険個所の確認の方法などを事例に基づき説明してきた。

 また、二十六年度は、「北海道通学路安全対策実践モデル構築事業」を実施し、地域ぐるみでの交通安全の推進の成果をモデルプログラムとしてまとめ、全道の各学校に配布した。

加藤委員 道教委としては、モデルプログラムの作成・配布などに取り組んできたとのことである。しかし、事故防止のためには、地域それぞれにおいて危険個所の点検を行い、その周知と改善を行うなど、事故防止に向けた対応策が大切であると考える。道内の各学校や市町村教育委員会では、どのように対応しているのか、取組の現状について伺う。

竹林学校教育局参事(生徒指導・学校安全) 学校や市町村での取組について。道内の各小・中学校では、PTAや地域住民の協力を得て、校区の見守り活動や「安全マップ」の作成に取り組んでおり、校区の通学路の危険個所については、児童生徒に注意喚起するとともに、学校だよりなどによって保護者に対しても周知している。

 また、市町村においては、二十五年度に文部科学省、国土交通省、警察庁で取りまとめた基本的な進め方に基づき、教育委員会や道路管理者、警察等が連携し、通学路の交通安全の確保に向けた取組を継続的に推進する体制づくりを進めており、二十六年三月末現在、道内三十六の市町村において推進体制が整備されている。

―再質問―

加藤委員 ずいぶん少ない状況と言えるのではないか。なぜ推進体制の整備が進まないのか伺う。

竹林学校教育局参事(生徒指導・学校安全) 推進体制の整備が進まない理由について。市町村からは、学校、道路管理者、警察それぞれが対策を行っていることや、個別の案件によって、その都度関係機関との連携・調整を図っていることなどの理由が挙げられている。

―再々質問―

加藤委員 それでは、推進体制の整備について、どのように進めていくのか伺う。

竹林学校教育局参事(生徒指導・学校安全) 推進体制の整備について。道教委では、関係機関が連携し、継続的に通学路の安全確保に取り組むことが大切であると考えており、市町村における取組状況を把握するとともに、各管内での教育長会議や校長会等を通して、あらためて、二十五年度に国が取りまとめた基本的な進め方を説明し、推進体制の整備について働きかけていく。

加藤委員 子どもの命や安全安心を守る上で、通学路の安全確保や交通安全意識の醸成は、大変重要なことだと考える。

 岩見沢市で起きた事故は、市教委や関係機関が取組を行っている中で発生したと考えると、大変残念なことである。

 あらためて、通学路の安全確保について、道教委としての今後の対応策について伺う。

梶浦学校教育局長 今後の対策について。各学校では、学校の教育活動全体を通して、児童生徒が自ら危険を予測し回避する力を身に付けることができるよう指導するとともに、地域では、関係機関等が連携し、通学路の交通安全対策を継続的に行う必要がある。

 道教委としては、先ほど申し上げたとおり「学校安全教室」や交通安全に関するモデル事業に加え、本年度、十四管内で実施する「学校安全推進会議」において、地域における推進体制の整備や、交通安全プログラムの策定のほか、点検の結果や対応策を示した交通安全プログラムの公表などについて、学校やPTA、市町村教育委員会、関係機関等に対し、積極的に働きかけていく考えである。

加藤委員 岩見沢市での通学路における事故のあと、砂川市で痛ましい交通事故が起こるなど、交通事故が多発する中、子どもたちの安全確保に向け、通学路においても、あらためて点検を行う必要があると考えるが、道教委の見解を伺う。杉本学校教育監 通学路の安全点検について。各学校では、通学時における安全を確保するため、地域の交通事情等を考慮しながら、安全な通学路を確保する取組を行っているが、岩見沢市の通学路における事故、さらには、このたびの砂川市の痛ましい事故の報道にふれ、あらためて、通学路の状況について、把握する必要があると考えている。

 道教委としては、二十四年度に実施した通学路の緊急合同点検について、あらためて、その後の対応状況や新たな危険個所を把握し、道路管理者および道警に対し、二学期に向けて安全対策が確実かつ早期に講じられるよう働きかけていく考えである。

(道議会 2015-07-28付)

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