道議会文教委員会の質問・答弁概要(6月15日)
(道議会 2015-07-29付)

 道議会文教委員会(六月十五日開催)における川澄宗之介委員(民主党・道民連合)、山崎泉委員(北海道結志会)、田中英樹委員(公明党)、佐野弘美委員(日本共産党)の質問、および梶浦仁学校教育局長、杉本昭則学校教育監、赤間幸人高校教育課長、岸小夜子義務教育課長、岩渕隆義務教育課教育環境支援担当課長の答弁の概要はつぎのとおり。

◆修学旅行引率旅費について

川澄委員 この三月に、修学旅行の配分基準が改定となった。現場の教職員から戸惑いの声が挙がっており、それが何かというと、引率の教員数が減少になることである。

 本来、学級規模に応じ、児童生徒の人数に合わせて基準が決まっていた。これまでの基準だと、小・中学校の修学旅行配分の基準で十五人だったものが、今回の改定で四十人刻みに変わったと聞いている。これによって引率者数が減少になったところも出てきている。

 修学旅行費の配分基準が改定となったが、その理由を伺う。併せて、今回の改定に当たり、学校現場等の意見を聴取した上で改定を行ったのか伺う。

赤間高校教育課長 修学旅行引率旅費配分基準について。修学旅行引率旅費については、二十五年度事務事業評価の二次政策評価において、「効果的・効率的な事業内容となるよう一層の見直しを進め、予算の縮減を図ること」との意見が付された。

 道教委としては、各都府県の修学旅行実施基準を調査し、全国の平均的な基準教員数を確保するよう配慮した上で、限られた財源の中で、修学旅行がより効率的な事業となるよう検討し、見直しを行った。

 このたびの検討に当たっては、道小学校長会、中学校長会、高校長協会、道都市教育委員会連絡協議会および町村教育委員会連合会から意見を伺いながら進めてきた。

川澄委員 事務評価、二次政策評価で、削らなければならないものがあるのは承知をしている。ただ、修学旅行が本当に配分基準を変えることとしてふさわしいのか、疑問が残るところである。また、今回の検討に当たっては、小学校長会、中学校長会、様々な関係機関と協議をしたと聞いているが、教職員からしては、今回の減員については戸惑いの声がある。実際に様々な配慮が必要な子どもたちがいる状況の中で、引率者数が減ることは問題だと考えている。

 今回の配分基準の改定に当たっての検討だが、例えば、小学校であれば児童生徒数二学級五十五人から八十人の場合、今まで六人引率というような形になっていたかと思う。この人数が多いか少ないかというのは判断が分かれるところだが、今回の改定によって五人になってしまう。このように、引率者数が減少することによって発生する諸問題は想定した上で今回の改定を行ったのか、お聞きする。

赤間高校教育課長 配分基準の改定に当たっての検討について。修学旅行の引率者には、基本的に、校長またはそれに代わる引率責任者、学級担任、連絡調整担当者、健康管理にかかわる教員を含めることとし、小・中学校については、学級数が三、高校については、学級数が四をこえる場合は、学級数に応じ、引率教員数を追加することとして、基準を見直したところであり、委員から話があったように、児童生徒数五十五人以上八十人以下の場合、引率教員数は一人減となる。

 このたびの基準の検討に当たっては、各都府県の修学旅行実施基準を調査し、全国の平均的な基準教員数を確保するよう配慮した上で、限られた財源の中で、修学旅行がより効率的な事業となるよう検討し、見直したものである。

川澄委員 学校の中には、特別な配慮を必要としている児童生徒、または、生徒指導上様々な課題を抱えている生徒がいる。そういった生徒に対して、修学旅行など行う場合、いろいろな所に実際に見学に行く、または訪問をして活動させてもらう、その点においては、細心の注意が必要な場面が生じているのは確かである。引率者が減るという部分については、保護者や学校の負担になると考えているが、その点について見解を伺う。

赤間高校教育課長 特別な配慮を必要とする児童生徒への対応について。道教委としては、修学旅行の実施に当たって、児童生徒の安全を確保することは重要なことであり、とりわけ、特別な配慮を必要とする児童生徒には、きめ細かく対応する必要があると考えている。

 これまでも、特別な配慮が必要な児童生徒が在籍し、旅行中に個別に対応することなどが必要な場合には、市町村教育委員会や学校との協議を通して、必要な引率教員数の確保に努めてきており、今後も引き続き、対応していく考えである。

―再質問― 

川澄委員 学校では、今回の減少について、戸惑いの声が出ている。特別な配慮が必要な場合は、十分相談に応じるということだが、十分学校の事情を配慮して、必要な場合は増員を図っていくことを各教育局を通し、市町村、学校長に伝えていく必要があると思うが、いかがか。

梶浦学校教育局長 今後の対応について。特別な配慮が必要な児童生徒が在籍し、旅行中に個別に対応することなどが必要な場合には、今後とも市町村教育委員会や学校からの協議に応じて、必要な引率教員数の確保に努めることとしており、こうしたことについて、各教育局に対して、あらためて周知していく考えである。

川澄委員 ぜひ丁寧に早い周知をお願いしたいと思う。

 今回、配分基準見直しによって、仮に問題が発生した場合を含めて、見直しがその都度必要だと考えているが、その点についてはどうか、伺う。

梶浦学校教育局長 配分基準の見直しについて。先ほど申し上げたように、道教委としては、修学旅行の実施に当たって、特別な配慮を必要とする児童生徒などの安全を確保することは重要なことと考えており、市町村教育委員会や学校との協議を通して、必要な引率教員数の確保などに努めていく。

 今後とも、集団生活の在り方の理解や豊かな情操の育成などのいわゆる修学旅行の目的を十分達成できるよう、安全な修学旅行の実施に向け、万全を期していく考えである。

川澄委員 今、通常学級の話を中心にさせていただいた。この中には、特別な配慮を必要とする、また、障がいをもっている児童生徒がいるわけである。こういった中で今、障がい者にかかわる障害差別解消法の中で、障がいをもった方に対して侵害をしてはいけない。そういった状況がある。

 配分どおりの人数が足りない場合は、介助にかかわる方々を、あらためて配置をしなければならないといった状況が出てくる。

 今回の改正によって、不利益を被る方が出ないような形をしっかりとつくっていかなければならないと思うが、この点について伺う。

梶浦学校教育局長 今、質問にあった特別な事案については、その都度、市町村教育委員会、学校と協議を通して、必要な対応を考えていくということで、取り組んでいきたいと思っている。

―意見―

川澄委員 人数外ということで、保護者が対応してくれという事案が出てきていることも聞いている。そこについては、保護者が負担しなければならない。通常学級において、本来であれば特別支援という形もあるかもしれないが、保護者の意向によって、普通学級で生活をする普通学級在籍という形もある。

 そうなったときに、教職員定数の中では配置ができない、引率者に当たらないということで、それに付随する介助の方が付く場合は、保護者が負担しなければならない。そういった状況が生じる可能性もあると考えているので、その辺も含めて、教職員の配置の対応については、今後も検討していただきたいと思う。

◆公職選挙法改正について

山崎委員 衆議院を通過して今国会中に可決される見通しのものだが、選挙権が「二十歳」から「十八歳以上」に変わっていく、早ければ来年の参議院選挙にも実施される。

 現在、政治の参加や投票率にかかわる高校の課題、そして、それをどのように取扱っているのか、伺いたいと思う。

赤間高校教育課長 高校生の政治への参加などに関する指導について。高校では、教科「公民科」の科目「現代社会」や「政治・経済」において、わが国の民主政治や議会の仕組み、政治参加の重要性、主権者としての政治参加の在り方について学習している。

 道内の高校においては、議会の仕組みを理解し、地域社会への関心を高めるための模擬議会、町の問題点とその解決方法を「総合的な学習の時間」の中で考え、町に提言する「子ども会議」の実施などの例がある。こうした取組を通して、広く有権者の意思を政治に反映させる大切さを学ばせ、投票率を高めていくことが重要であることを指導している。

山崎委員 二十歳から十八歳に引き下げられても、一時的に、話題性を呼んで投票率が上がるということはあるかもしれないが、中長期的にみて、投票率低下の助長になってはいけない。

 この北海道としても、若者が、政治に関心をもつ、投票に行くということが、重要だと思っている。そういった意味でも、政治に参加する意義の指導の充実について、道教委としてどのような見解をもっているのか伺う。

赤間高校教育課長 選挙権年齢の引下げについて。高校においては、良識ある公民として必要な政治的教養を身に付けさせるため、ただ今申し上げたように、学習指導要領に基づき、政治参加の重要性や選挙の意義などについて指導を行っている。

 高校生の政治や選挙に対する関心を高め、主体的に社会に参画し、自立して社会生活を営むために必要な力を育むことは重要であることから、このたびの選挙権年齢の引き下げを契機に、これまでの指導の一層の充実を図る考えである。

山崎委員 様々な観点から、どういった指導をした方がいいのかを把握しておく必要性がある。

 今後を含めて、どう指導・啓発を行っていくのか伺う。

杉本学校教育監 今後の対応について。国では、文部科学省が総務省と連携して、ことしの夏をめどに、選挙等に関する高校用の資料を作成すると伺っている。

 道教委では、選挙の仕組みや諸課題をまとめた指導資料を作成・配布し、活用を促していくとともに、夏休み明けに実施する、指導主事による学校教育指導や年末に実施を予定している教育課程研究協議会等を通じて、選挙に対する関心を高め、主権者としての政治参加の在り方について、理解を深めさせるよう、各学校に対して指導していく。

 また、国の動向を注視しつつ、選挙管理委員会と連携した啓発活動を推進していく考えである。

―意見―

山崎委員 夏までに整備はしなければいけない、検討チームの中でも議論はしていかなければならないという大臣の会見があった。そのことを踏まえながら、道教委としても遂行していくことになると思うが、ただ、他県も含めて、独自性の中で投票率低下を踏まえながら、政治的な子どもたちのかかわり、将来、社会人になっての責任という意味では、施策、政策の中で推進しているところがある。

 道教委としても、やらなくてはならないこと、もっと充実させていかなければならないことがあると思うので、同時並行の中で、推進していっていただきたいと思う。また、夏の国の見解もみながら、九月とか十月の段階で質問させていただきたいと思うので、その点も整理していただきたいと思う。

◆学力向上対策について

田中委員 これまでの北海道の学力については、「全国の下位に低迷している」などと、報道などでも大きく取り上げられており、道民の大きな関心事である。将来の北海道を担っていく子どもたちには、様々な分野や立場で活躍することができるよう、学力を身に付けさせることが必要だと考えている。

 道教委では、学力向上を最重要課題と位置付けて、全国平均以上という目標を掲げ、学力向上の取組を進めてきたと承知している。そこで、学力について、順次伺っていく。

 まず、本道の子どもの学力の状況はどのようになっているのか、あらためて伺う。

岸義務教育課長 子どもたちの学力の状況について。文部科学省が十九年度から実施している全国学力・学習状況調査において、これまで、本道は、国語、算数・数学ともに全国平均を下回る傾向が続いている中、二十六年度は、全国の平均正答率との差が、小・中学校八教科中、二教科で前年度と同じ、六教科で差が縮まり、そのうち、中学校国語Aでは全国と同じになるなど、改善の傾向がみられてきている。

 一方で、正答数の少ない児童生徒の割合が全国よりも高いことや、市町村や学校のばらつきが大きく、全国平均を下回っている市町村や学校が多いこと、また、管内のばらつきも十分に改善されていないことなどの課題がある。

田中委員 全国との差が縮まってきているものの、多くの教科で全国を下回り、管内のばらつきも大きいといった状況は続いているわけだが、なお一層の努力が必要ではないかと思う。

 そこで、道教委では、昨年度の結果を受けて、本年度の目標達成に向けて、どのような取組をしてきたのか伺う。

岸義務教育課長 目標達成に向けた取組について。道教委としては、機会均等を旨とする義務教育の趣旨を踏まえ、生まれ育った場所によって基礎学力に大きな違いがあることは、本来あってはならないという考えのもと、授業改善と生活習慣の確立を車の両輪と位置付け、学校、家庭、地域、行政が一体となった取組を進めてきた。

 特に、各学校に対しては、調査実施後、速やかに自己採点を行い、課題に応じた授業改善を進めるよう働きかけてきており、具体的には、授業の冒頭で目標を示し最後に振り返る活動を徹底することや、適切な内容と分量の宿題を継続的に出して家庭学習を充実させることなどについて指導助言してきた。

 また、「ほっかいどう学力・体力向上運動」の推進によって、学力向上に対する道民の機運を一層高め、本道の子どもたち一人ひとりに確かな学力を身に付けさせるよう取り組んできた。

田中委員 今、伺った取組は、非常に重要なことだと思う。加えて、家庭や地域では、子どもに学習習慣を身に付けさせるよう、学校と連携・協力しながらしっかりと見守ることが地域全体で子どもの学力を向上させるために必要なことではないか。

 道内の地域によっては、放課後や休日に学校以外で、地域の有志によって「寺子屋」と称する学びの場を設定したり、NPOや民間の力を活用して学習塾を開いたりするなどの取組が行われている。

 そこで、道教委として、このような地域の有志による学校外の学力向上の取組について、どのように考えているのか、見解を伺う。

梶浦学校教育局長 地域における取組について。道内では、子どもの学力向上のため、市町村教育委員会または、NPOなどの民間団体が主催して、放課後や休日などに、退職教員や保護者、地域住民が指導者となり、子どもの学習支援の取組が行われている。

 道教委としては、地域の方々が、学校と連携・協力しながら学習支援に取り組むことは、子どもたちの学力を向上させる上で、意義あるものと考えており、今後も、学習支援を行う退職教員や学生ボランティア等を派遣する学校サポーター派遣事業を拡充するとともに、学校教育を支援する学校支援地域本部を充実するなどして、地域と学校の連携・協力の取組を支援していく考えである。

―意見―

田中委員 例えば、教育力が高い地域の人口が増加したり、安定したりという傾向があるが、また、新卒者の就職率が最近上がっているといわれているが、一方では、三年以内に退職するという離職率が上がっているという問題もある。

 その問題の一つの要因として、基礎学力の低下ということも言われている。そういった意味では将来の北海道を担う子どもたちの基礎学力の向上は非常に重要だと考えているので、ぜひ、今後も道教委として地域と学校の連携・協力の取組へのより一層の支援の充実をお願いしたい。

◆夜間中学について

佐野委員 先日、自主夜間中学、札幌遠友塾を見学した。そこには学んで成長する喜びがあり、生徒と先生がかかわり合いながら学び合う姿があった。多様な学習の場へのニーズは今後増えることはあっても減ることはないと思う。卒業生でもある若いスタッフの「ここには学ぶ喜びがある、魂の輝きがある」という言葉が印象的だった。そして、今、夜間中学に法的裏付けをという六十年越しの活動が実り、国会で議員立法の運びとなっている。

 そこで、まず道内夜間中学の実態について伺う。全国で公立夜間中学が八都府県三十一ヵ所二千人が在籍していることが公表された。自主夜間中学はボランティアによる調査で全国で七千四百人在籍している。

 道教委では、道内の自主夜間中学の状況をどう把握しているのか伺う。通学人数と年齢構成、いわゆる形式卒業者の人数を答えていただきたい。

岩渕義務教育課教育環境支援担当課長 道内の自主夜間中学について。文科省調査によると、道内では、いわゆる自主夜間中学として活動を行っている団体は、四団体で、在籍者は、札幌市五十七人、旭川市三十二人、函館市四十二人、釧路市三十人の合計百六十一人となっており、年齢構成については、団体から聞き取ったところ、十代から八十代まで幅広い年齢層を対象としており、在籍者の大半が六十歳以上であった。

 また、不登校などによって義務教育を十分に受けられなかった義務教育修了者、いわゆる形式卒業者は、同調査において、全国で二百七十八人、道内で四十五人の在籍であった。

佐野委員 就学年齢をこえた人への対応について。現在、国会では超党派の議員連盟によって夜間中学に関する法案化が検討されていると承知している。道教委ではこれらの動向をどの程度把握されているのかを伺う。

岩渕義務教育課教育環境支援担当課長 法案について。新聞報道等によると、現在、超党派の議員連盟によって多様な教育機会の確保にかかわる法案の準備が進められていると承知している。

―意見―

佐野委員 座長私案の段階なので公表はされていないようだが、この法案の目的・理念には、教育を十分に受けずに卒業したいわゆる形式卒業者を含め、就学を希望するものが年齢・国籍にかかわらず教育を受ける機会が確保されるよう国や道の自治体が措置を講ずる義務を負うことを旨として書かれてあり、とても重要な提案であると受け止めている。

佐野委員 道内では、自主夜間中学が札幌、函館、旭川、釧路の四ヵ所しかなく、長距離を通学している人や遠くて通えない、高齢や障がいがあり自力で通えないなどという理由で通学を断念している人がいると聞いた。解決するためには道内で少なくとも五十ヵ所以上は必要だという声が出された。苫小牧では募集をかけてすぐに八人集まった。一年で終わってしまったが、それだけのニーズがあるものと推測される。対策のためにも夜間中学で学びたいというニーズがどのくらいあるのか、調査で明らかにする必要があると考える。個人のプライバシーを守りながらの実態調査が必要と考えるが、いかがか伺う。

岩渕義務教育課教育環境支援担当課長 実態調査について。道教委では、昨年度、自主夜間中学や市町村に対し中学校未修了者の状況について、聞き取り調査などを行ったが、プライバシーの問題等があるとともに、団体においては、学歴等について把握しておらず、状況を確認することはできなかった。

 また、国の調査においても、道内では、中学校夜間学級の設置要望があった市町村が一市であり、中学校夜間学級について、住民から問い合わせを受けた市町村はなかった。

 学びへのニーズを把握することは大切であることから、今後とも、道民の学びに対するニーズの把握について検討していく。

佐野委員 それぞれに困難な事情を抱えているので公表したり要望を出すのは難しいのが実際だと思う。だからこそ、公的に多様な学習の場を提供することと周知をすることが必要だと思う。

 今度の法案は、各県に公立夜間中学を設置することが大きな眼目の一つである。

 「この北海道にも、公立夜間中学を」というのが関係者の切なる願いであるが、道教委はこの願いにどう答えるべきと考えているかを伺う。

岩渕義務教育課教育環境支援担当課長 公立中学校夜間学級、いわゆる夜間中学の設置について。道教委としては、文部科学省から中学校夜間学級が設置されていない自治体における設置促進の方針が示されたこと、また、自主夜間中学の関係者などから設置を望む声があることを踏まえ、本年度、国の事業を活用して中学校夜間学級の設置に当たっての課題やその解消策に関する調査研究に取り組んでいく考えである。

佐野委員 自主夜間中学に対しても、会場の確保、高齢や障がいがあっても通えるよう、福祉タクシーやバリアフリー化など、通学手段の確保も含めた支援を道でも実施するべきと考えるが、いかがか。

梶浦学校教育局長 自主夜間中学への支援について。道教委としては、これまでも地域の皆さんの様々な学習ニーズに対応して、学校開放の促進や民間教育事業者などと連携して、学習機会の提供等に努めるとともに、市町村に対して、学校施設等の有効活用などについて働きかけを行ってきた。

 今後も、市町村等と十分に連携を図りながら、自主夜間中学の取組の周知など、地域の方々が主体的に学ぶことができる機会や場の提供などを中心とした支援に努めていく考えである。

―意見―

佐野委員 年齢にかかわらず、学んで成長する喜びはかけがえのないものである。様々な理由で学習する機会を奪われた人へ教育の機会を提供し、学びをあと押しすることは教育行政の大切な役割である。憲法で保障された教育を受ける権利を応援するために、国と設置市町村任せではなく、道独自でも支援するべきである。本日は夜間中学に絞って質問したが、不登校の子どもたちが通うフリースクールへの対策も重要である。道教委として、多様な教育機会の確保に向け、検討を進めることを求める。

(道議会 2015-07-29付)

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