札幌市学校経営全体研修会　自立した札幌人育成へ　全教頭出席し、方向性確認

（市町村 2015-08-06付）

札幌市教委学校経営全体研修会

　札幌市教委は三日から二日間、市内のちえりあで学校経営全体研修会を開催した＝写真＝。四日には、全市立学校の教頭を対象に、引地秀美学校教育部長が札幌市の教育課題について講義。学ぶ力や豊かな心の育成などにおける札幌市の教育の現状と課題、今後の方向性について説明し、学校全体が一丸となって取り組むよう求めた。

　引地部長は、札幌市の教育が目指す人間像「自立した札幌人」の育成に向け、①学ぶ力の育成②豊かな心の育成③健やかな身体の育成④地域に開かれた学校づくり―の四点について、現状や課題、今後の方向性について説明した。

　学ぶ力の育成では、さっぽろっ子学ぶ力の育成プランに基づき、「各学校ごとに子どもたちの育みたい学ぶ力について、教員同士で共通理解を図り、分かる・できる・楽しい授業づくりを充実させ、家庭や地域にも積極的に情報を発信するなど、学校・家庭・地域が連携して学ぶ習慣づくりや環境づくりを進めてほしい」と呼びかけた。

　市教委と学校が一体となって、分かる・できる・楽しい授業づくりを推進する札教研事業については、本年度から、作成した資料や指導案などを校務支援システム内の共有フォルダから取り出すことができることにふれ、「多くの先生が活用し、より一層、日常の授業や校内研究に生かしてほしい」と述べた。

　豊かな心の育成については、夏休み明けから「子どもの命の大切さを見つめ直す月間」を設定していることにふれ、「児童会・生徒会活動において、子どもが意見表明をする場を大切にして主体的な取組やピア・サポートなどを進める」「学校・家庭・地域が連携して子どもを認め、育み、子どもの自己肯定感を高めていく」など、取組の一層の充実を求めた。

　健やかな身体の育成については、「全国体力・運動能力等の調査結果から、小・中学生ともに持久力や敏捷性に課題が認められ、運動への意識・興味では、積極的に運動する子どもとそうでない子どもの二極化の傾向も続いている」と指摘。今後、冬季アジア大会などが予定されていることから、スキーをはじめとするウィンタースポーツの取組や体育館でできる運動遊びなど、それぞれの学校での取組の工夫・充実を呼びかけた。

　また、地域に開かれた学校づくりでは、土曜日や学校の長期休業中に学校施設等を活用して実施する「サッポロサタデースクール」、小学五年生と幼児が札幌の豊かな自然環境の中で一緒に自然体験活動を行う「幼保小連携型自然体験活動なかよしキャンプ」の二事業を紹介。「札幌の未来を担う十四万人の子どもたちのために、自校の教職員と一丸となって、学校づくりに力を尽くしてほしい」と呼びかけた。

　このあと、千葉大学の天笠茂教授が学ぶ力の育成について講義した。

(市町村 2015-08-06付)