岩見沢市の新・教育支援センター 相談件数 前年同期比4倍に 「発達障がい」が半数占める(市町村 2015-08-06付)
【岩見沢発】岩見沢市教委がことし四月に開設した「教育支援センター」に寄せられた教育相談の件数は、六月末までの三ヵ月間で、前年同期と比べ八十六件増の百十二件と大きく増加している。相談対象の内訳をみると、小学生が七十六件、中学生が三十三件、高校生が三件となっている。相談内容は「発達障がい」に関するものが半数近くを占め、「不登校」「生徒指導」「家庭問題」と続く。同センター教育支援コーディネーターの長尾孝男氏は「学校生活等で困っている子ども・保護者・学校が大勢おり、どう対応すべきか分からないのが現状だと思う。問題が大きくなる前に早めに相談してもらい、学校・家庭、各機関と連携して支援できれば」と話している。
市教委は教育支援センター開設以前も、既存の教育相談事業において学校や適応指導教室などの関係機関との連携を図り、子どもや保護者の教育相談に対応してきた。
しかし、利用者にとって悩みをどこに相談すべきか分かりづらいこと、教育相談スタッフ同士で情報を共有し、チームで対応する必要性があることなどの課題が浮上していた。
このため、前年度からスクールカウンセラースーパーバイザー、医療アドバイザーを既存の教育相談事業に配置。教育支援センターのスタートに向けて人員を確保し、ことし四月にであえーる岩見沢の市教委内に「教育支援センター」を開設した。
◆相談窓口の一本化、円滑な連携が奏功
新体制では、利用者が相談しやすいよう相談窓口を一本化。不登校、生徒指導、発達障がい、家庭問題に悩む児童・保護者・学校への支援を行っている。
スタッフは、常勤・非常勤合わせて計八人。常勤の教育支援コーディネーターが相談を受け付け、相談内容に応じて週一回ないし二回勤務するスクールカウンセラースーパーバイザー、医療アドバイザー、スクールソーシャルワーカーら専門のスタッフが個別に対応している。
また、児童の実態に応じてケース会議を開き、スタッフ同士で支援の方向性や方策を協議するなど、チームとしての体制を強化。長尾氏は「虐待や貧困などの家庭問題、不登校、発達障がいなど問題は複合・多角化している。複数の専門家が協力することで、解決の糸口もみつかりやすくなる」と新体制の利点を語る。
このほか、不登校状態の子どもたちに対して学習支援やスポーツ、菜園活動など学校復帰に向けた支援を行ってきた「適応指導教室」を、四月から「登校支援室」に改称し、センター内に併設。これによって、利用者にとって教育相談から登校支援への接続がスムーズになった。
これらの相談体制の強化によって、四月から六月の三ヵ月間に同センターに寄せられた教育相談の件数は、前年同期と比べて八十六件増の百十二件と大幅に増加。相談対象の内訳をみると、小学生が七十六件、中学生が三十三件、高校生が三件となっている。相談内容の件数は「発達障がい」に関するものが半数近く、次いで「不登校」「生徒指導」「家庭問題」の順となっている。
◆早期の相談呼びかけ
市教委は七月下旬、同センターの窓口や相談内容の例などを分かりやすく示すパンフレットを作成して市内の各学校に配布。学校生活に悩む多くの児童・生徒や保護者、学校関係者に向けて、さらなる周知を図っている。
(市町村 2015-08-06付)
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