十勝特別支援教育推進ネットワーク協議会　子を中心に“つなぐ”には　夏季研開き、講演通して学ぶ

（関係団体 2015-08-07付）

十勝特別支援教育推進ネットワーク協議会夏季研修会

　【帯広発】十勝特別支援教育推進ネットワーク協議会（＝とかねっと、千葉紀行会長）は七月二十七日、芽室町内のめむろーどで二十七年度夏季研修会を開催した＝写真＝。道教育大学函館校の五十嵐靖夫教授が「特別な配慮を要する子どもたちへの支援～教師の持つ資源を考える」と題して講演。約百三十人の参加者は特別支援教育の充実・発展に向けて研鑚を積んだ。

　芽室町、十勝小・中学校会、高校長協会十勝支部、帯広市校長会、道特別支援教育学会十勝支部後援。

　開会に当たり、千葉会長があいさつ。近年のインクルーシブ教育システムの構築に向けた就学先決定の仕組みが見直されたことにふれ、「学びの場における柔軟な取組が推進されている」と指摘した。その上で、「福祉分野においては、法整備が進み、各事業所では放課後支援やケアホーム、就労支援などそれぞれの仕組みを理解し展開する努力が求められている」と強調。「“つなぐ”のキーワードのもと、子どもたちを中心に、かかわる者同士がつながるきっかけの場となれば」と期待した。

　続いて、道教育大函館校の五十嵐教授が「特別な配慮を要する子どもたちへの支援～教師の持つ資源を考える」と題して講演した。

　五十嵐教授は、「発達障がいの定義を確認した上で、学習障害（ＬＤ）の児童への指導方法について解説。漢字の読みが苦手な児童に対して、漢字に重ねて絵を描き、漢字の形と読みを結びつけて記憶させる事例を紹介した。

　次いで、発達障がいが引き起こす二次障害へのケアとサポートについて絵本を用いて説明し、「二次障害を予防するために、自己有用感の低下にいち早く気づくことが大切」と指摘。「問題ではない部分に注目し、望ましい行動をしているときに、ほめる、励ます」「話を聞く、子どもの感情を推測して言語化するなど情緒の安定を図る」など、二次障害への具体的な対策法を示した。

　このあと、様々な事例をもとに、発達障がいのある子への指導方法や課題解決について説明し、発達障がいへの理解と支援を求めた。

　午後からは、帯広盲学校、帯広聾学校、帯広養護学校、中札内高等養護学校・幕別分校の四校が「配慮や支援を考えるときのヒント～十勝管内特別支援学校の実践から」をテーマに、それぞれ自校が行っている実践を発表した。

(関係団体 2015-08-07付)