道相研が第４４回研究大会開く　課題に即応する“体力”を　講演や実践発表などで研鑚

（関係団体 2015-08-12付）

第４４回道学校教育相談研究大会

　道学校教育相談研究会（＝道相研、西田隆雄会長）は六～七日の二日間、札幌サンプラザで第四十四回道学校教育相談研究大会札幌大会を開催した＝写真＝。全道から教職員ら関係者百五十人が参加。研究主題「自己を見つめ、違いを認めて、共に生きる子を育てる学校教育相談～生きる力を支えるコミュニケーション能力の育成」を柱に、インクルーシブ教育に関する講演や各種研修講座、実践発表を通して、学校教育相談の充実を図った。

　冒頭、西田会長は、同会の先駆者たちの言葉を引用しながら会の意義を説明。その上で、「私たち教師が児童生徒の理解に努めるために、私たち自身が心を開き、“今日的課題”に対して改善解決に向けて一人ではなく、チームを組んだり、関係機関とつながったり、情報の共有化をベースに適切なかかわり方、様々な手法について学んだりしていくことが重要。また、私たち自身がどんなケースにも即応していける“体力を身に付けることが必要”ではないか」と強調。「この大会に参加した皆さんが、新しい出会いや学びを通して、自分自身を見つめるきっかけとなれば」と呼びかけた。

　このあと、事務局の山下公司研修部長が二十五年度からスタートした研究主題等の背景や流れ、三ヵ年研究の三年目に当たることなどを説明。「学校教育相談は問題のある生徒だけが対象だけではなく、すべての子どもたちが対象であり、すべての教師が学校生活のあらゆる機会・場で指導援助を行うもの」とし、スキルの向上を呼びかけた。

　引き続き、道教育大学釧路校の二宮信一准教授が「多様性を支持する学級づくり～授業のユニバーサルデザインと合理的配慮を考える」と題して講演。特別支援教育の変遷や合理的配慮についての留意点などを説明した。

　二日目は、「大人の発達障害の理解と対応」「健全な仲間づくりに向けて～ピアサポート活動を通して」「相手の意欲を高め、主体的な行動を引き出すコーチング～効果的な関係性づくりと問題解決に向かう対話のポイント」「ココロとカラダ　ほぐしあそび～配慮を要する子どもの理解と支援のヒント」と題する講座が開かれた。

　参加者たちは、それぞれのスキル向上に向けて、熱心に受講していた。

(関係団体 2015-08-12付)