全国盲学校副校長・教頭会 専門性の維持・向上を 北海道で7年ぶりの全国大会(関係団体 2015-08-13付)
全国盲学校副校長・教頭会研究協議会
第四十五回全国盲学校副校長・教頭会総会ならびに研究協議会札幌大会が十一日から二日間、札幌視覚支援学校で開かれた=写真=。約四十人が参加し、講演や研究発表、研究協議などを通して、視覚障害特別支援学校の課題や具体的方策について共通理解を図った。初日にあいさつした全国盲学校副校長・教頭会の前川裕道会長は「盲学校視覚障害教育の啓発活動の強化、専門性の維持・向上について取り組まなければいけない」と訴えた。
北海道では七年ぶりの全国大会。研究主題は、「インクルーシブ教育システムの構築など視覚障害教育をめぐる動向の変化に対応した教育活動の創造と学校運営のあり方について」。
冒頭、前川会長があいさつに立ち、昨年一月に日本が批准した「障害者の権利に関する条約」に関する「インクルーシブ教育システム構築」の理念が提唱されたことや、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が来年四月から施行されることなどを説明。「各校では、合理的配慮を提供することが法的義務になった」と述べた。
また、「特に、専攻科含めた高等部が減少している。地域によって差はあるが、原因究明と対策が必要」「視覚障害教育の充実・発展のため、関係機関と連携を進め、盲学校視覚障害教育の啓発活動の強化、専門性の維持・向上について取り組まなければいけない」と呼びかけた。
文部科学省初等中等教育局の青木隆一特別支援教育課調査官、道教委の小原直哉特別支援教育課長、全国盲学校長会の三谷照勝会長、道盲学校長会の石川大会長が来賓あいさつ。
青木調査官は「インクルーシブ教育システムでは、障がいのある子どもとない子どもが同じ場でともに学ぶことが強調されがちだが、障がいがある子どもが授業の内容を分かっているか、学習活動に参加している実感・達成感をもてているか、能力を最大限度に発展される十分な教育がされているかの視点が大切」と指摘。一人ひとりの教育的ニーズに応じる柔軟な仕組みの整備、障がいのある子に対する合理的配慮の充実に取り組む必要性を訴え、「視覚に障がいのある子どもが十分な教育を受けられるよう盲学校の専門性と特色を発揮してほしい」と呼びかけた。
三谷会長は、矢継ぎ早に特別支援教育の環境整備が進む中、「合理的配慮の具体化が喫緊の課題であり、副校長・教頭の手腕発揮のしどころ。教員のもっている力を十分に生かせる教育環境の整備が大切。どんなときでも児童生徒への愛情をもてば困難は解消できる」と激励。副校長・教頭の横のつながりによる情報共有の大切さについても述べた。
このあと、総会を行ったほか、青木調査官が「視覚障害教育の現状と課題」について講演した。
盲学校における幼児児童生徒数の減少、バランスのとれた専門性の質の向上・維持・継承、センター的機能の一層の発揮、交流および共同学習の推進などを課題に挙げ、「盲学校だからこそできる学びの保障、情報発信を進めていただきたい」と期待した。
午後からは、旧札幌盲学校と旧高等盲学校を統合・移転して、ことし四月に開校した札幌視覚支援学校の施設を見学。秋田県立盲学校の鈴木徹教頭、広島県立広島中央特別支援学校の村井一文教頭、札幌視覚支援学校の片平明彦教頭による研究発表も行われた。
二日目の研究協議では、ミドルリーダーを育成する工夫、視覚障害教育の専門性、生徒個々のニーズに応じた進路指導などについて話し合った。
(関係団体 2015-08-13付)
その他の記事( 関係団体)
北理研が教師のための理科実験研修会 理科の魅力伝えるために 160人参加し模擬授業体験
北海道小学校理科研究会(村上力成会長)は十日、札幌市立大倉山小学校で第六回「教師のための理科実験研修会」を開催した=写真=。札幌市内の教員約百六十人が参加。三~六年生ごとに「じしゃく」「も...(2015-08-17) 全て読む
全幼研―500人参加し全国大会 「広げよう 確かな幼児教育」 保育者としての力量高め
「広げよう 確かな幼児教育」を研究主題に掲げた第六十四回全国幼児教育研究大会北海道大会が六日から二日間、札幌コンベンションセンターほかで開かれた。全国各地から幼稚園・保育所関係者、教育行政...(2015-08-17) 全て読む
会員相互の情報共有密に 道特長会夏季研究協議会・五十嵐会長あいさつ概要
道特別支援学校長会夏季研究協議会(十日、札幌市立北翔養護学校)における、五十嵐利裕会長=写真=のあいさつ概要はつぎのとおり。 人事に関して、先に二十八年度の公立学校教員採用候補者選...(2015-08-13) 全て読む
道特長会が夏季研究協議会開く 人格尊重等の大切さ認識 信頼される学校づくり推進
道特別支援学校長会(五十嵐利裕会長)は十日、札幌市立北翔養護学校で二十七年度夏季研究協議会を開いた=写真=。開会式では、五十嵐会長があいさつに立ち、学校経営上の危機管理にかかわって、「信頼...(2015-08-13) 全て読む
上川管内校長会が法制等研究会開催 今日的な課題を協議 上川局・清水課長などの講義も
【旭川発】上川管内校長会(松永博一会長)は四日、上川教育研修センターで二十七年度法制研究会・教育経営研究会を開いた=写真=。会員約百人が参加し、上川教育局の清水厚次企画総務課長と永澤篤教育...(2015-08-13) 全て読む
職業教育制度の充実を 北専各連が第58回教育研修大会
【釧路発】公益社団法人道私立専修学校各種学校連合会(=北専各連、吉田松雄理事長)は七~八日の二日間、釧路市内のANAクラウンプラザホテルで第五十八回道私立専修学校各種学校教育研修大会を開催...(2015-08-13) 全て読む
カリキュラム・マネジメント 教頭・副校長の役割重要 全国高校教頭・副校長会大会
第五十四回全国高校教頭・副校長会総会・研究協議大会(六・七日、札幌市教育文化会館ほか)初日には、文部科学省初等中等教育局主任視学官の清原洋一氏が「新しい時代の教育」と題して講話した=写真=...(2015-08-12) 全て読む
道相研が第44回研究大会開く 課題に即応する“体力”を 講演や実践発表などで研鑚
道学校教育相談研究会(=道相研、西田隆雄会長)は六~七日の二日間、札幌サンプラザで第四十四回道学校教育相談研究大会札幌大会を開催した=写真=。全道から教職員ら関係者百五十人が参加。研究主題...(2015-08-12) 全て読む
道小・道中・道公教と道教委の文教施策懇談会 道小・松井会長のあいさつ概要
二十七年度文教施策懇談会(七日、道庁別館)における道小の松井光一会長=写真=のあいさつ概要はつぎのとおり。 本年度も柴田教育長をはじめ道教委の皆さんと校長会・教頭会の代表が一堂に会...(2015-08-12) 全て読む
道国語教育連盟が夏の研究交流学習会 実践の道筋を共有し 言語活動生かす授業づくりへ
道国語教育連盟(川嶋英輝委員長)は一日、札幌サンプラザで「小中合同夏の研究交流学習会」を開催した=写真=。全道各地から会員約八十人が参加。小・中学校四教諭による実践発表と、道教育大学旭川校...(2015-08-12) 全て読む