全幼研―５００人参加し全国大会　「広げよう　確かな幼児教育」　保育者としての力量高め

（関係団体 2015-08-17付）

全国幼児教育研究大会北海道大会

　「広げよう　確かな幼児教育」を研究主題に掲げた第六十四回全国幼児教育研究大会北海道大会が六日から二日間、札幌コンベンションセンターほかで開かれた。全国各地から幼稚園・保育所関係者、教育行政関係者、保護者など約五百人が一堂に会し、全体会、分科会での協議を通して、保育者として力量向上を図った。

　公益社団法人全国幼児教育研究協会（＝全幼研）主催、同会全北海道支部主管。

　初日は、市内の認定こども園四園、保育園二園、幼稚園一園で公開保育。短い北海道の夏の一日に、元気よく遊ぶ子どもたちの活動を披露した。このあと、札幌コンベンションセンターで行われた開会式＝写真＝では、はじめに主催者を代表し全幼研の岡上直子理事長があいさつ。公開保育について、「本会の理念である幼稚園、保育所、認定こども園がともに学び合える関係を築くモデルを示してくれた」と評価。「大会で学んだことを各園にもち帰り、確かな幼児教育を地域に、そして、幼稚園、保育園、認定こども園がともに学び合う関係を全国に広げていただきたい」と呼びかけた。

　続けて、あいさつに立った同大会の吉村幸子運営委員長は、子ども・子育て支援新制度について、「戸惑いながらも何とか今日まで保育を行ってきた。これからも希望をもって、教育・保育に取り組んでいきたい」と述べた。「ゆったりとした北海道の雰囲気の中で、先生方もゆったりとされ、少しでも豊かになって帰っていただきたい」と期待した。

　さらに、下村博文文部科学大臣（代読・淵上孝文科省初等中等教育局幼児教育課長）、高橋はるみ知事（代読・辻泰弘副知事）、秋元克広札幌市長が来賓祝辞。「子どもは社会の希望であり、未来の力である。わが国の将来を担う子どもたちのために、引き続き、全幼研をはじめ幼児教育関係の皆さんと連携しながら、幼児教育の充実に取り組んでいきたい。本大会が多大な成果を収め、これからの幼稚園教育に生かされていくことを期待する」（下村文科大臣）、「全国の関係者が一堂に会して、幼児教育のさらなる充実に向けた研究協議が行われることは意義深く、この貴重な機会を十分に活用いただき、本大会通して得られたことを、今後の教育活動に大いに生かしていただきたい」（高橋知事）、「日々、よりよい教育・保育について調査・研究を重ねている皆さんの存在は大変心強いものがあり、今後とも、子どもたちの輝かしい未来のため、より一層の力添えをお願いする」（秋元市長）などと述べ、大会の成果に期待を寄せた。

　開会式のあと、文科省の淵上幼児教育課長が「幼児教育の現状」をテーマに講話。幼児教育振興法（仮称）、幼児教育の段階的無償化などについて説明、解説した。続けて、旭川市旭山動物園園長の坂東元氏が「伝えるのは命・つなぐのは命」と題し講演。

　二日目は、札幌コンベンションセンターを会場に、大学教授、文科省、国立特別支援教育総合研究所の職員などが講師を務め、①深めよう　つなげよう　特別支援教育②考えよう　心と体を育む　運動遊び③今一度考えよう　子どもが夢中になる遊び④進めよう　保幼小の連携⑤ワークショップ「作って遊ぶ」「親子で作って、発表会」―の五つの分科会を行い、保育者としての力量向上を図った。

(関係団体 2015-08-17付)