工業教育を力強く推進　道工業高校長会が教育研究集会

（関係団体 2015-08-18付）

第６６回道高校工業教育研究集会

　【小樽発】道工業高等学校長会（池田尚志理事長）は七月二十九日から二日間にわたり、小樽工業高校で二十七年度第六十六回道工業教育研究集会を開催した＝写真＝。㈱光合金の井上一郎会長を外部講師に招いた講演会のほか、各部会で協議。工業教育に携わる者としての専門性を向上させるとともに、工業教育の一層の充実・発展に向けて研鑚を深めた。

　全道の工業高校十九校から教諭など約百五十人が参加。来賓として後志教育局の武田信吾局長、小樽市の森井秀明市長、上林猛教育長など十一人が出席した。

　本年度は、「力強い本道工業教育の推進」を研究主題とし、工業教育活性化の方策や技術革新に対応した教育内容・指導方法の工夫・改善などの課題について研修。二日間にわたる部会協議などを通して、工業教育の専門性や質の向上を高めることを目的に開催した。

　開会に当たり、池田理事長があいさつ。産業界や社会情勢、教育動向を踏まえ、「今後の高校教育には、何を教えるかという知識の質や量はもちろんのこと、どのように学ぶかという質の深化が求められている。今だからこそ、工業教育の優れた教育力を発揮し、実践を重視した本物志向のものづくり教育の推進が図れるよう研修を深めてほしい」と期待を寄せた。

　来賓あいさつに立った武田局長は「経済のさらなる活性化には地域産業におけるスペシャリストの育成が重要。工業教育においては、工業の意義や役割を理解させるとともに、社会の変化に柔軟対応できる実践的な能力育成を目指した特色ある取組を進めてほしい」と呼びかけた。

　続いて、「中央情勢報告」を主題としてオリエンテーション。全国工業高校長協会の棟方克夫理事長が「これからの工業教育」、道教委学校教育局高校教育課産業教育指導グループの諸橋宏明主査が「研究主題にかかわる工業教育の諸問題について」、小樽工業高校の太田潤一校長が「研究主題・研究課題および設定の趣旨説明」と題してそれぞれ説明した。

　引き続き、外部講師を務める光合金の井上会長が「人づくり・ものづくり・まちづくり」と題して講演。インターンシップや海外留学生の受入など教育機関との積極的な連携や自社における若手登用の取組などを紹介し、「学校教育のみならず、中小企業の発展、地域の発展において最も大切なことは、人を育てること。自分の活動が、地域に役立つための人材教育につながれば」と述べた。

　このあと、電子機械、電気、電子情報技術、建築、土木、工業化学、教育課程の七科目別に部会協議を実施。二日間にわたり、地域と連携した教育活動の推進や継続的な進路指導への取組など、より専門的・多角的な視点から工業教育の充実・発展に向けて研鑚を深めた。

(関係団体 2015-08-18付)