道倫研が総会・研究大会を開催　新会長に元紺谷氏（根室西高校長）　前会長・矢倉氏が記念講演

（関係団体 2015-08-20付）

道倫研総会・研究大会

　道高校「倫理」「現代社会」研究会（＝道倫研）は八月上旬、札幌市内のかでる２・７で、二十七年度総会ならびに第五十回研究大会を開催した。道内各地から四十人が参加。総会では、会長に根室西高校の元紺谷尊広校長を新任したほか、新設の常任顧問職には、前会長の矢倉芳則氏、道教委教育指導監の村田尋如氏を選任した。研究大会では、矢倉氏が第五十回大会記念講演を行った。

　同研究会は、大会開催に当たり、主題を「倫理を教える者としての志～新たなる自我を求めて」に設定。講演や研究協議の軸とした。

　総会では、新会長の元紺谷氏があいさつ。参加者に向けて、「交流の成果を学校にもち帰り、人との出会いに感謝できる生徒の育成に努めてほしい」と期待を寄せた。

　大会では、前年度実施した道外視察について報告。このあと、矢倉氏が記念講演＝写真＝。年齢に応じた読書の有用性を語るとともに、教師として生徒の学力向上を目指すには、「率先して教科書を読み込む必要がある」とした。

　校長など学校管理職を経験する中で感じたのは、「学校の置かれた現状を踏まえ、確かな学力の定着を目指して要点を定めることの大切さ」と振り返り、「校長のリーダーシップが鍵になる」と語ったほか、「上に立つ人の度量が、後進を育てる」と述べた。

　学習指導要領などに対しては、「先生を苦しめるためにあるものではない、むしろ、守るためにある」とし、同研究会の会員はもちろん、教育行政の立場にある人たちとも連携して課題に取り組むよう訴えた。

　倫理を教える立場については、「哲学者の業績から学ぶべき点は多い」として、「知恵とは善悪を弁える力」「知識は知恵を構成する一要素であり、勉学と経験によって習得するもの」など、ソクラテスの定義や聖書を引用しながら解説。経験を感動につなげられるよう、「知的活動と行為的活動を意識した授業を心がけてほしい」と期待を寄せた。

　また、教師には、教師としての存在意義があるとした上で、「ベーコンが提唱した、権威・世俗的地位に対する偏見にとらわれない姿勢を貫いてほしい」と語るなど、倫理を教える者としての志を示した。

　講演のあと、村田氏をコーディネーターとした研究協議を行い、議論を交わした。

　本年度役員はつぎのとおり。＝敬称略＝

▽会長＝元紺谷尊広（根室西高校長・新）

▽副会長＝村中典彰（美深高校長・新）

▽常任顧問＝矢倉芳則（新）、村田尋如（新）

▽監査＝山口晴敬（札幌月寒高）、高谷康博（岩内高）

▽事務局長＝江尻憲昭（大麻高）

(関係団体 2015-08-20付)