札幌市教委が柔道指導者研開く　安全に十分留意して　段階的な指導方法など研鑚

（市町村 2015-09-03付）

札幌市教委が柔道指導者研修会

　札幌市教委は八月三十一日、道立総合体育センターで二十七年度柔道指導者研修会を開催した＝写真＝。市立中学校や中等教育学校、高校の保健体育科教諭および柔道部顧問教諭など約八十人が参加。講義や実技講習を通して、段階的な指導や、安全に配慮した指導方法を学んだ。

　同研修会は各学校の柔道の授業が安全かつ効果的に行われるよう、柔道の段階的な指導や安全に配慮した指導方法等について理解を深めることを目的に実施している。

　はじめに、児童生徒担当課の秀島起也児童生徒担当係長があいさつ。「研修会で得た知識や効果的な指導方法を、各学校で保健体育科教員および柔道部顧問教諭に伝えていただき、安全管理に十分配慮した一層効果的な柔道の指導を行ってほしい」と呼びかけた。

　続いて、教育課程担当課の大井一雄義務教育担当係長が、柔道の授業の安全な実施に向けて講義。文部科学省発行の『柔道指導の手引き』などの内容に基づき、柔道の指導体制に関する状況調査の集計結果や、全国的な事故の発生傾向について紹介した。

　柔道の授業における安全対策のポイントとして、①練習環境の事前の安全確認②緊急時への備え③外部指導者と協力した授業④指導計画⑤生徒の体調等の確認⑥初心者に対する段階的な指導⑦受け身の重要性⑧固め技の指導⑨投げ技の指導―の九点を示し、「万一の事故発生に備えて、対応マニュアルの整備を」「効果的・継続的な学習が可能となるよう安全確保に留意し、三年間を見通した上で年間指導計画を作成してほしい」などと呼びかけた。

　続いて、白石中学校の木村由久教諭と南が丘中学校の瀧谷仁教諭による実技講習を実施。中学校で初めて柔道を学ぶ生徒が多いことから、恐怖心をなくし、楽しく学べるよう段階的に授業を行うことや、ウオーミングアップとなるゲームについて紹介した。

　柔道の基本動作については礼儀作法のほか、受け身について説明。受け身は頭部の保護や衝撃を和らげたり分散するなどしっかり生徒に説明するよう呼びかけたほか、二人一組で後ろ受け身や横受け身の練習を行った。

　このほか、大外刈りなどの投げ技やけさ固めなど固め技、試合形式の練習の仕方について指導を受けるなど、参加者は段階的な指導方法や安全に配慮した指導方法を学んでいた。

(市町村 2015-09-03付)