児童生徒の安全確保へ　見守り活動ネット構築　地域の企業等と協力―道教委　道議会文教委

（道議会 2015-09-03付）

　道議会文教委員会が一日に開かれ、児童生徒の生命・安全確保にかかわる対応について質疑が行われた。柴田達夫教育長は「今後、道や道警と連携し、地域の実情に詳しい企業や団体等に協力いただき、児童生徒が犯罪被害に遭わないようにするため、見守り活動のネットワークを構築して、児童生徒の一層の安全確保に努めていきたい」と表明した。道教委では、各市町村教委・学校に対し、児童生徒の安全確保に向けた指導ポイントや不審者に対する注意を示した通知を発出するほか、家庭における外出時間等のルールづくりの働きかけも行う。加藤貴弘委員（自民党・道民会議）の質問に答えた。

　大阪府寝屋川市の中学生が殺害された事件を受け、本道の児童生徒の安全確保を図るための措置。

　加藤委員の質問に答え、道教委は、道警の調査結果をもとに、ことし一～七月の不審者からの声かけやつきまといなどは対前年比百四十件増の五百六十二件とのデータを明らかにし、九・十月は声かけ事案が増加する傾向にあることから、各市町村教委・学校に対し、不審者に対する注意を喚起するよう指導していく考えを示した。併せて、児童生徒の安全確保のため、警察との一層の連携を図るよう働きかけるとした。

　また、各市町村教委・学校に対して、事件の課題を踏まえた具体的な指導のポイントや、不審者に対する注意、家庭における外出時間等のルールづくりなどを盛り込んだ、児童生徒の安全確保にかかる通知を発出し、指導していくことを表明した。

　家庭におけるルールづくりについては、道ＰＴＡ連合会等に対して協力を要請するとともに、道家庭教育サポート企業にも働きかけていく考え。

　加藤委員は「地域に密着した企業などの協力を得て、早急に地域のネットワークをつくり、児童生徒の安全確保に努めることが大切」と述べ、教育長の考えをただした。

　柴田教育長は「児童生徒の健全育成のためには、学校、家庭、地域、関係機関等が連携して、実効ある取組を推進することが大切」との考えを示した。その上で、「今後、道や道警と連携し、タクシー会社、運送会社、郵便局など地域の実情に詳しい企業や団体等に協力いただき、例えば、深夜に徘徊している児童生徒を見かけた場合には、声をかけていただいたり、警察に通報していただくなど、児童生徒が犯罪被害に遭わないようにするため、見守り活動のネットワークを構築して、児童生徒の一層の安全確保に努めていきたい」と答弁した。

(道議会 2015-09-03付)