旭川藤女子高オープンスクール　ＡＬの大切さを理解　産業能率大・小林教授が模擬授業

（学校 2015-09-16付）

旭川藤女子高オープンスクール

　【旭川発】旭川藤女子高校（水野清哉校長）は八月三十日、同校で開催した第一回オープンスクールで、産業能率大学の小林昭文教授によるアクティブ・ラーニング（ＡＬ）模擬授業を実施した。宇宙船が月に不時着した事態を想定し、船に残された道具をテーマに、生徒同士で意見交換＝写真＝。ＡＬの大切さについて理解を深める授業を行った。

　同校では、前年度から「藤の学び改革」と称して、①七十分授業②学び直しと学力向上を図る時間のＤＥタイム③生徒の自立・自律に向けた自己管理としてのＰＤＳ手帳―の三点を授業に導入。また、積極的にＡＬを授業に取り入れるなど、生徒自ら主体的に学ぶ力を身に付け、学力向上を図る授業改革を進めてきた。

　今回のオープンスクールでは、中学生や保護者、教育関係者など約三百五十人が参加。「藤の学び改革」紹介ガイダンスや同校生徒による①～③の取組の紹介を通して、同校の実践について理解を深めた。

　このうち、教育関係者向けに、小林教授によるＡＬ模擬授業「月からの脱出」を、同校一年生を対象に実施した。最初に小林教授はＡＬ型授業の必要性、効果等について、生徒にグループで考えさせた。その上で、「これからは変化が激しい時代。みんなで話し合って協力する必要があり、ＡＬで学ぶことは、社会で役立つ人の育成につながる」とＡＬの意義を説いた。

　同授業では、トラブルで宇宙船が月に不時着した事態を想定。船に残された酸素タンクや宇宙食など、十五種の道具に対し、生存するためにはどれが重要かを順位付けた。配布したワークシートをもとに、十五種の道具の順位について、生徒個人で考えさせてからグループで各自の結論を出し合い、グループとしての結論をまとめた。

　その後、生徒は個人とグループそれぞれの結論を解答と照合。各道具に付けた順位と正解の順位の差をワークシートに記入した。

　小林教授は、生徒たちの出した結果に関して、個人よりグループの方が正解に近かったことを指摘。その上で、「みんなで話し合って勉強すると効果が高い。大人はグループで仕事することが多く、今回の授業のように、いいアイデアはみんなに言うことが大切」と話した。

　おわりに、生徒は授業の感想をグループで交流。「みんなで話し合って、結果をまとめていって答えに近づくことができて良かった。日ごろの授業が結果につながっていると実感した」と話していた。

　同校の谷島久雄副校長は「今後はＡＬがより一般的となる。本校の取組が管内や道内の実践の参考となれば」と述べている。

(学校 2015-09-16付)