道小学校家庭科教育連盟が道北大会　実践力育む家庭科教育　講演や公開授業など通し研鑚

（関係団体 2015-10-16付）

道小家庭科教育連盟研究大会・開会式

　【旭川発】道小学校家庭科教育連盟（細矢ともえ会長）は九日、第五十三回研究大会道北大会を旭川市立啓明小学校（齋藤眞美子校長）で開催した＝写真＝。大会主題は「未来を創り出す豊かな心と確かな実践力をはぐくむ家庭科教育〝ねがいをもち、あったかな生活を創り出す子ども〟」。約八十人が出席し、講演や公開授業、研究協議を通して、小学校家庭科教育の実践力向上に努めた。

　道教委、旭川市教委、道小学校長会、旭川市小学校長会、上川管内校長会、旭川市教育研究会、上川管内教育研究会、道エネルギー環境教育研究委員会後援。

　同連盟は、同主題に沿って、①「ねがい」を実現する教材化・学習活動②「ねがい」を実現させるための指導と評価―の二視点のもと研究を進めてきた。

　①では、実践意欲を高め、学びを実感できるよう題材構成を工夫したほか、問題解決的な学習を取り入れた。また、児童同士だけでなく教師、家庭・地域とのかかわりを生む学習活動を盛り込んだ。

　②では、個の「思い」や学びの過程を把握するため、学習シートや実物投影機、タブレット端末などのＩＣＴを活用した。加えて、児童の考えの良さを価値付ける教師の適切なかかわりを意識。その上で、指導に生かす評価計画、子どもの変容を見取る評価方法の改善・充実に努めた。

　結果、家庭での実践につなげる児童が増えるなどの成果が上がった。一方で、ＩＣＴの活用や問題解決的な学習のさらなる工夫、中学校の学習内容を踏まえた系統的な題材構成などが課題として残った。

　開会式の冒頭、細矢会長があいさつ。小学校家庭科において、体験的な活動や問題解決的な学習を通して、日常生活に必要な知識と技能を身に付けることが重視されていることを指摘した。

　「家庭生活をより良くしたいとの子どもの願い実現のため、確かな実践力を育てていくことが大切。本大会での実践を通して、これからの家庭科教育の歩みを着実に進めていきたい」と話した。

　つぎに、大会実行委員長を務める齋藤校長があいさつに立ち、生活スタイルが多様化している近年、家庭科教育の果たす役割の重要性を強調。「本大会で得られた成果を今後の研究に生かしていきたい」と述べた。

　続いて、来賓として上川教育局の小野寺一郎局長が登壇。「生活の中で見つけた課題と、実生活に結び付いた問題解決的な学習を取り入れることが大切。大会の成果を日常の実践に活用してほしい」と呼びかけた。

　つぎに、弘前大学の日景弥生教授が講演したほか、同連盟担当者による研究概要発表や授業説明などを行った。

　続いて、公開授業や実践交流、研究協議を行い、小学校家庭科教育の実践力向上に向けて研鑚を積んだ。

(関係団体 2015-10-16付)