重要文化財（建造物）の指定―本道は旧網走監獄等２件　文化審議会が文科相に答申

（関係団体 2015-10-19付）

重要文化財―旧網走監獄

　国の文化審議会（宮田亮平会長）は十六日、国宝・重要文化財（建造物）の指定について、文部科学大臣に答申した。本道関係では、重要文化財に網走市内の旧網走監獄、旧網走刑務所二見ヶ岡刑務支所（二見ヶ岡農場）の二件を指定することを盛り込んだ。

　同審議会は、十六日に文化財分科会を開き、審議・議決を経て、国宝に二件の建造物（新規一件、追加一件）、重要文化財に十件の建造物（新規八件、追加二件）を指定するよう、文部科学大臣に答申した。近日中に官報告示を行い、国宝・重要文化財（建造物）の指定数は二千四百四十五件になる予定。

　本道関係分は、網走市内の旧網走監獄三棟（庁舎、舎房および中央見張所、教かい堂）、旧網走刑務所二見ヶ岡刑務支所（二見ヶ岡農場）五棟（庁舎、舎房、教かい堂および食堂、鍵鎖附着所、炊場）の二件。いずれも重要文化財となっている。

　旧網走監獄は、明治二十三年建築・四十五年再建・昭和五十六年以降移築。庁舎ほか二棟は、監獄における主要施設で、明治期の木造監獄建築の数少ない遺例として歴史的価値が高い。とりわけ、舎房および中央見張所は、木造の放射状舎房が完全な形で残る唯一のもので、当時の標準的な獄舎の特徴を備えており重要である。指定基準は「歴史的価値の高いもの」。

　旧網走刑務所二見ヶ岡刑務支所（二見ヶ岡農場）は、明治二十九年建築・平成十一年移築。全国でも珍しい農園をもつ刑務所の建築群で、主要建物を良好に残し、特に、舎房は明治中期の獄舎建築として歴史的価値が高い。一連の施設を残している点でも貴重で、構外泊込作業場から段階的処遇制度の先駆的施設への発展過程をよく示しており、行刑史上高い価値が認められる。指定基準は「歴史的価値の高いもの」「学術的価値の高いもの」。

　これら二件の指定によって、道内の国宝・重要文化財指定件数は二十八件となる予定。

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重要文化財―二見ヶ岡刑務支所

(関係団体 2015-10-19付)