道私立中学高校協会がテーマ別研修会　活力ある私学教育目指し　函館に１１０人集結し研鑚積む

（関係団体 2015-10-19付）

　【函館発】道私立中学高校協会（会長・森本正夫北海学園大理事長）は、九月中旬の二日間、函館国際ホテルで第五回道私学教育テーマ別研修会兼日本私学教育研究所北海道地区研修会函館大会を開催した。全道各地の四十七校から約百十人が参加し、講演や研鑚を深めた。

　同協会函館支部（支部長・山田伸二函館有斗高校長）主管。開会式の主催者あいさつでは、協会副会長を務める札幌創成高校の武田洋子校長が「日本近代化の地、北海道私学発祥の地である函館で本研修会を開催できることをともに喜びたい」と述べた。その上で、「私学は創立者の志を引き継いでいる。特色ある教育の中で、生徒の人間性を育んでおり、人材育成が使命となっている」と強調し、「社会の変化に対応した教育が重要で、そのためには教師の力量の向上が大切になってくる」と述べ、研修成果を活用した私学教育の充実を期待した。

　続いて、山田支部長は「各校の伝統と私学の建学の精神などの特色をさらに全面に打ち出すとともに、組織も人も変わらなければ」と訴え、「活力ある私学教育のために、実りのある会になることを願っている」と呼びかけた。

　初日の全体講演では、函館シネマアイリス代表の菅原和博氏が「〝函館〟発信映画を作る」と題して講演した。

　菅原氏は、幼少期を道内の数都市で過ごした。映画全盛の折、映画館が身近な環境にある中で育ったという。中・高校を函館で過ごし、進路は映画関連の専門学校へ。道内に戻ったあと、衰退する映画の再興にかかわり、一九九六年「函館市民映画館シネマアイリス」を開館した。以降、山あり谷ありの経営だったが、開館から二十年を迎えようとしている。

　そんな中、二〇一〇年には、函館市出身の佐藤泰志原作『海炭市叙景』を函館市民映画として映画化し、実行委員長を務めた。二〇一三年には、『そこのみにて光輝く』を映画化し、国内外で四十三の映画賞を受賞した。

　これらの映画を制作する中で、地域自らが主体となって、市民による映画を軸とした新しいライフスタイルを提唱し、魅力ある町づくりを目指してきた。このような「函館方式」が全国的に注目を集めているという。

　菅原氏は、その成果として、①地域の人同士の連帯感が強まる②地域の人が新たな魅力を発見できる③知的共同作業により心のレベルでの交流が深まる―と強調した。

　二日目は、研究主題「活力ある私学教育を目指して」を受け、三部会でテーマ別にそれぞれの講師が講演した。参加者は、講師から得た知見を今後の学校経営や運営、指導に役立てていくことを確認した。

(関係団体 2015-10-19付)