道内中学校における教育課程等調査結果　「道徳」　８５％が重点化　９２％でチャレンジテスト活用　道中研修部調べ

（関係団体 2015-10-22付）

　「道徳の教科化」を視野に入れ、「道徳の時間」の取組を重点としている学校が、二十六年度を十七ポイント上回る八五％にのぼることが、道中学校長会（小西俊之会長）の研修部の調査で明らかとなった。「教師の指導力向上のための研修会の設定」「道徳教育推進教師の活用」も増えており、道中では「指導力の向上を学校全体で図るとともに、評価についても相互に研修を深めることが大切」と分析している。学力向上の取組に関しては、二十六年度より一二ポイント増の九二％の学校で道教委の「チャレンジテストを活用している」と回答した。

　現行の学習指導要領全面実施から四年目を迎え、本年度の道内各中学校の取組状況を把握し、課題を明らかにするとともに、各校の学校経営の改善と充実のため、教育課程等について調査した。

　前年度に引き続き、①教育課程②総合的な学習の時間③特別支援教育④道徳教育⑤学校評価―の五点について、道内中学校六百四校を対象に、五～七月に悉皆調査を実施し、全校から回答を得た。

　教育課程に関する調査のうち、「学習指導要領実施の際の重点的な取組」では、「道徳の教科化」を視野に、道徳の時間の内容のさらなる充実について検討している学校が、前年度を一七ポイント上回る八五％となった。

　次いで、「教育課程検討委員会や教科会などで内容の理解をさらに深めている」（七七％）、「時数が削減された総合的な学習の時間について引き続き、次年度に向けて検討する」（四〇％）、「学習指導要領についての理解をさらに深めるための研修会を設定」（三七％）などと続いた。

　「各教科の領域の進め方」では、言語活動の導入や確かな学力の定着について検討・研修している学校は多いが、本年度は特に、活用型の学習活動について研修を進めている学校が二一ポイント増の五〇％と急増した。

　「学力向上の取組」では、道教委のチャレンジテストを活用している学校が九二％と、前年度より一二ポイント増えた。

　学習指導要領の実施に当たっての課題では、「年間授業時数の確保」「生徒の活動時間および諸会議・研修会の時間の確保」に関する回答が多かった。

　総合的な学習の時間の内容に関する調査については、「進路学習」が九五％と最多で、「地域学習・ふるさと教育」（七三％）、「福祉・健康教育」（三九％）、「環境教育」（三一％）などと続いている。

　また、総合的な学習の時間の学習活動として重視していることは、「社会体験」が八四％と高く、このほか、「発表・討論」が七ポイント増の六九％、「課題の追求・解決」が八ポイント増の五八％、「表現・創作」が七ポイント増の三九％など、言語活動や主体的に学ぶ力の育成を充実させる活動が多かった。

　特別支援教育に関する調査では、特別支援教育コーディネーターに特別支援教育担当教員を指名している学校が年々増加し、本年度は七五％となった。個別の支援計画も作成している学校が年々増加し、本年度は七六％にのぼった。

　道徳教育の調査では、「道徳の時間の指導力を向上させるための研修会の設定」が、四七％で一七ポイント増、「道徳教育推進教師の活用の工夫」が二六％で七ポイント増となった。

　さらに、各校の道徳教育の課題としては、「教科化に向けた指導計画の見直し」「指導力向上のための研修方法」「教職員の意識の差が大きい」などが挙げられており、道中では「指導力の向上を学校全体で図るとともに、評価についても相互に研修を深めることが大切」「他校や校外での研修による意識付けや近隣校の実践例を積極的に周知することも効果がある」と分析している。

　学校評価の調査については、「学校評価項目を特別委員会で作成する」が五ポイント増の四〇％となった。公表方法は、学校だよりを利用している学校が九割近くだが、学校ホームページを活用する学校が年々増加し、三五％と七ポイント上昇した。

(関係団体 2015-10-22付)