上川南部地区へき複研究大会開催　自らの考え表現する子を　中富良野町宇文小で公開授業

（関係団体 2015-09-25付）

上川南部地区へき複研究大会

　【旭川発】上川南部地区へき地複式教育研究大会が十六日、中富良野町立宇文小学校（松田聡校長）で開催された。主催は上川へき地・複式教育研究連盟（橋本彰委員長）で、主管は同連盟南部地区と中富良野町教育研究会（吉田孝則会長）。国語科で三授業を公開したうち、田畑幹夫教諭と小澤くるみ教諭が一・四年生を指導した＝写真＝。一年生では、生き物のクイズカードを完成させて参観者にクイズを出題し、四年生では分かりやすい要約文を考える授業を行った。

　同連盟の研究主題は、「主体的・創造的に学び、豊かな心でたくましくふるさとを拓く子どもの育成～へき地・複式教育の特性を生かし、児童生徒一人ひとりに未来に〝生きる力〟を育む学校・学級経営と学習指導の充実を目指して」。また、同研究会では、「人間性豊かな児童生徒の育成をめざして」を研究主題に設定した。

　同校では、「読み取ったことを活用し、自らの考えを表現できる子どもの育成～単元を貫く言語活動を通して」を研究主題に掲げた。

　到達点の明確化や学習進行表の作成によって、授業の導入における見通しをもたせたほか、単元を貫く言語活動が教材文の学習と常に結びつくよう、展開における指導過程を工夫。目的意識を明らかにした発表交流やタブレット端末の効果的な活用などに努めた。

　当日、国語科で三授業を公開。うち、田畑教諭と小澤教諭が一年生「〝だれが、たべたのでしょう〟　生きもののひみつ～クイズ大会をしよう」、四年生「〝ウミガメの命をつなぐ〟ここがすごい！　リーフレットでしょうかいしよう」を指導した。

　一年生では、自分が選んだ生き物のクイズカードを完成させるとともに、紹介文や説明文を作成。クイズ大会に向けて、参観者にクイズを出題することを本時の目標とした。

　一方、四年生では生き物の本『たくさんのふしぎ』シリーズで興味をもったことを中心に、文章を要約するほか、興味・関心シートに朱書きを加え修正することを目標とした。

　一年生は、主に小澤教諭が見守り、時折、田畑教諭が児童の様子を見回った。田畑教諭は「しょうかいの文・せつめいの文もつくっておきゃくさんにクイズを出そう」と課題を提起。児童はクイズカードにする生き物を確認してから、「問い」と「答え」の文を用意し、紹介文と説明文を考えた。

　児童は完成させたクイズカードをもとに、参観者にクイズを出題。おわりに、田畑教諭は「紹介する文・説明の文があると、クイズが分かりやすくなる」とまとめた。

　四年生では、田畑教諭が「紹介したいことを要約しよう～お気に入り」と課題を示した。児童は分かりやすい要約文のポイントを確認。その上で、「ここがすごい！」と思ったことが伝わるよう「興味・関心シート」に要約文の修正点を書き込み、児童同士で要約文を交流した。

　まとめとして、田畑教諭は「分かりやすい要約文をつくるためには、まとまりやつなぐ言葉、主語等の工夫が大切」と結んだ。

(関係団体 2015-09-25付)