函館中部高創立１２０周年記念式典　新しい時代築く気概を　１２００人が伝統継承誓う

（学校 2015-10-21付）

函館中部高１２０周年記念式典

　【函館発】函館中部高校（千原治校長）創立百二十周年記念式典が十七日、同校で執り行われた。生徒ならびに同窓生ら約一千二百人が出席。道内公立普通科高校で最も古い歴史を誇る同校の伝統を受け継ぎ、新たな飛躍を期すことを誓った＝写真＝。

　同校は、明治二十八年に開校した函館尋常中学校が前身。卒業生はこれまでに三万三千人を超える。旧制中学時代から〝函中（かんちゅう）〟の愛称で呼ばれ、広く地域に親しまれている。“函中”の校風を表す言葉が〝白楊魂〟。「はくようこん」あるいは「ポプラだましい」と呼ばれ、函中生の精神の象徴として、先輩から後輩へと脈々と継承されている。

　記念式典は、吹奏楽部によるオープニング演奏で開幕。黙とう、国歌斉唱のあと、式辞に立った千原校長は、同校の長い歩みを振り返り、先人の努力に敬意を表した上で、「今後も、高等教育の先駆的役割を果たしていく」と決意を示した。また、生徒たちに「自分にとって望ましい生き方、在り方、それを目指し実現していく高い志を抱いてほしい。皆さんが力強く活躍することを願っている」と呼びかけた。

　歴代校長、特別功労者等に対する感謝状の贈呈に引き続き、道教委の中村隆信委員と、函館市の工藤壽樹市長が祝辞。中村委員は、充実した英語教育など、同校の特色ある教育活動をたたえながら、生徒たちに「新しい歴史を自分たちで築いていく気概をもってほしい」と呼びかけた。また、教職員に対して、「自立精神あふれる生徒の育成に向けて、教育の充実発展に一層の尽力を」と期待を寄せた。

　工藤市長は「〝百年の計は教育にあり〟と言われる。先人が築いてきたふるさと函館に、より磨きをかけ、つぎの世代に引き継いでいくことが大切」と述べ、生徒たちに社会で活躍する有為な人材となるよう励ましの言葉を送った。

　代表生徒二人が登壇。全日制課程生徒会長の石川龍星君は「人としての成長には、いくつもの障害がある。壁を乗り越えていく、たいへんな道を選ぶこと、社会に通用する人として成長していくことが〝白楊魂〟。己の〝白楊魂〟に磨きをかけていく」と述べた。

　定時制課程生徒会長の大山達也君は「働くことには喜びとつらさがある。つらいときに励してくれるのが函館中部高。多くの先輩方も、ここで自分自身を成長させたと感じている」と述べ、一層の努力へ決意を示した。

(学校 2015-10-21付)