道総合教育会議が教育大綱固める 新たに重点取組3点盛る 大綱に基づいた施策を―柴田教育長(道・道教委 2015-10-23付)
道総合教育会議の第三回会合が二十一日、京王プラザホテル札幌で開かれ、北海道総合教育大綱を固めた。素案で示した本道教育の目指す姿、基本的な考え方に加え、新たに「社会で自立するために必要な学力を身に付けさせる取組」など三点からなる重点的な取組も盛り込んだ。学力の向上や生活困窮世帯等の子どもへの支援のため、コミュニティ・スクールを全道的に広めていく方針を固めた。各分野における取組方針の項目も精査し、「社会で生きる力の育成」など五つの柱のもと、二十三点にわたる施策項目を掲げた。今月中に道知事の決裁を経て策定する。
二十九年度までの三年間を対象とする大綱は、「大綱の策定について」「本道教育の基本方針」「各分野における取組方針」の三章で構成。基本方針では、本道教育の目指す姿として、「すべての子どもたちに、社会で自立して生き生きと活躍できる力を培うとともに、互いを思いやり、支え合う、優しい心を育む」など三点を掲げた。
さらに、基本的な考え方として、「自分の生まれ育った郷土の歴史や文化、産業などに親しみ、理解を深め、ふるさとに愛着をもって発展させていこうとする気持ちを育む」など七点を示した。また、新たに、「社会で自立するために必要な学力を身に付けさせる取組」「生活困窮世帯等の子どもたちへの教育支援」「学校・家庭・地域が連携する方策としてコミュニティ・スクールを全道に広める」の三点を重点的な取組として盛り込んだ。
各分野における取組方針は、①社会で生きる力の育成②北海道の未来を拓く人財の育成③私学教育の振興④大学等との連携の推進⑤生涯学習や文化芸術・スポーツの振興―の五つを柱に、二十三の施策項目を掲げた。
①では、子どもたちの学力が全国平均以上となるよう、授業改善と生活習慣の確立を車の両輪と位置付け、「ほっかいどう〝学力・体力向上運動〟」など家庭・学校・地域・行政が一体となった学力向上に関する取組を重視。高校では学校ごと・学科ごとの目標を一層明確化し、特色ある教育を進めていく。
また、豊かな情操や規範意識、自他の生命の尊重、自尊感情、他者への思いやり、家族の絆の大切さや高齢者を敬う気持ちなど、社会性や豊かな人間性を育むため、発達段階に応じた道徳教育を推進。コミュニケーション能力の育成、社会体験やボランティア活動の充実、木育の推進、生徒指導・教育相談体制の充実なども盛り込んだ。
②では、ニートやフリーターの解消を含めた地域ニーズに基づく人材を育てることとし、理数系・医療系人材、グローバル人材の育成についても項目を立てた。
会議の中で、柴田達夫教育長は「人口減少の中、本道の将来を担う人材の育成が大切。コミュニティ・スクールなど地域全体で子どもの学びを支援していくこと、学力の向上、貧困対策と教育支援についても重点的取組として示した。道教育推進計画との整合性にも配慮し、今日的な課題もとらえている」とし、大綱に基づいて教育行政を進める意気込みを新たにしていた。
大綱は、十月中に道知事の決裁などを経て決定される。
(道・道教委 2015-10-23付)
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