第3回道総合教育会議 CS普及促進へ協議 大分県教育センター・梶原氏が取組報告(道・道教委 2015-10-23付)
第三回道総合教育会議(二十一日、京王プラザホテル札幌)では、コミュニティ・スクール(=CS)の普及促進について協議を行った。大分県教育センターの梶原敏明所長による大分県玖珠町におけるCSの報告を受けて、本道における導入の課題などについて話し合った。
梶原所長は、少子化が教育に及ぼす影響として、「子ども同士が切磋琢磨する機会の減少」「親の子どもに対する過保護・過干渉」「学校や地域での一定規模の集団活動が困難」「子育ての経験や知恵の伝承・共有が困難」であることを説明。学校・家庭・地域が協働して子育てする必要性を訴えた。
これらの現状を踏まえ、生徒指導上の課題や家庭学習を身に付けさせるため、玖珠町立玖珠中学校で、CSを導入した経緯を報告した。学校の現状と課題を分析し、保護者や地域と課題・目標を共有することで、地域が学校を支え、子どもが地域貢献するようになったサイクルを提示。「教職員や生徒、地域、保護者へのアンケート結果を公表することが大切」「子どもの学力や地域への理解などが変わることで信頼される学校、地域住民の活性化を図ってきた」と振り返った。
CSを導入するに当たって最初に乗り越えたこととして、教職員の不安を挙げ、解決方策として教職員の学校運営参画意識の向上、社会の動きや地域を学習活動に生かすことを示した。
また、新聞等で生徒の活躍を紹介する効果として、生徒が新聞を読むきっかけになること、自尊心の高揚などにつながることを話し、「地域の行事などに参加することで地域の一員として認められ期待されていることを感じ、意識が変化してきた」と健全な生徒の育成につながることを示した。
地域住民にも達成感や当事者意識、責任感が芽生え、学校を支える専門的技能集団になったことについてもふれた。
地域と連携した活動に参加する生徒の様子も紹介し、「CSが地域活性化の循環システムとなっている」と人づくりがまちづくりにつながっていることを説明した。
このあと、道教委の田澤由利教育委員がCSを導入している京都市立御所南小学校を視察したことを報告した。
委員からは、「導入が進まない理由として、〝類似の制度がある、すでに地域との連携はできている〟というところがある」「地域で行っている産業体験などの取組をCS導入に発展させては」「初動時の予算を支援する制度があってもよいのでは」などの意見が出された。
(道・道教委 2015-10-23付)
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