27年度道教育功績者表彰受賞者の功績概要
(道・道教委 2015-10-30付)

27年度道教育功績者表彰受賞者の功績概要

 道教委は、二十七年度道教育功績者表彰の受賞者十人(二十二日付1面既報)の功績をまとめた。表彰式は、十二月十八日午前十一時からホテルライフォート札幌で執り行う。

 受賞者の功績概要はつぎのとおり。=敬称略=

▼大山節夫(六〇)=札幌東高校長

 昭和五十四年以来、本道の高校教育および教育行政に携わり、特に、国語科教育において、言語文化に対する関心を深め、言語感覚を磨き、思考力を伸ばし、心情を豊かにする教科指導の研究・実践に努めた。

 教育行政においては、高校教育課程編成・実施の手引きの執筆など、教育課程の編成や教科指導の改善充実に尽力するとともに、本道初の道立中等教育学校の開校に向け、中心的な役割を担った。

 また、釧路教育局長として、情熱あふれる教育の創造を目指し、管内教育推進の重点を定め、管内教育の発展に尽力し、道立教育研究所副所長としては、研修事業の充実を通して教員の資質向上を図るとともに、学校における教育課題の解決に向けた研究の充実に貢献した。

 さらに、全国高校長協会常務理事や道高校長協会副会長、道高校国語教育研究会会長等の要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。

▼反保秀規(五八)=苫小牧市立豊川小学校長

 昭和五十五年以来、本道の小学校教育に携わり、常に児童の側に立った教育の実践を通じて、児童の豊かな心や健やかな体の育成等に努めた。特に、体力向上では、クロスカントリーや授業における運動能力テストを活用した体力づくり、不登校対策では、学校、スクールソーシャルワーカーおよび医療機関が連携して対応する仕組みの構築など、特色ある教育活動を展開した。

 また、文部科学省の学力向上実践研究推進校の指定を受け、算数科の指導を中心にした近隣の小・中学校との研究や、放課後学習「チャレンジタイム」の新設、中学校の「学習のきまり」や「学習カレンダー」を小学校で活用するなど、小・中を見通した学習規律の確立と家庭学習の定着に教職員の先頭に立って指導的役割を果たした。

 さらに、全国連合小学校長会理事や道小学校長会副会長、道音楽教育連盟理事等の要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。

▼守谷保夫(六六)=前伊達市教委委員長

 平成六年十月以来、伊達市教委の教育行政に携わり、道内で唯一の情緒障がい児短期治療施設の子どもたちが通う特別支援学級のみの小・中学校の設置や、不登校児童生徒に家庭以外での活動の場を提供し、学校生活への復帰意欲を喚起する「子どもの国フェニックス」の開設など、学校教育の充実発展に貢献した。

 生涯学習活動等の取組として、市民の心身の健全な発達およびスポーツの普及振興を図るため、伊達市総合体育館を整備するとともに、有珠山噴火災害後の地域振興策の一環としてパークゴルフ場およびサッカー場を開設した。

 また、伊達市立学校学校医として、内科検診を行い、その結果に基づいて適切な予防措置、保健指導を実施するなど、児童生徒の健康管理や体力の増進に尽力した。

 さらに、道都市教育委員会連絡協議会理事や胆振管内教育委員会連絡協議会副会長等の要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。

▼久保田達也(五七)=新ひだか町立高静小学校長

 昭和五十五年以来、本道の小学校教育および教育行政に携わり、地域の自然環境や人材を積極的に活用した「農園活動」「読書活動」「老人会との交流」などを教育課程に位置付け、地域に根ざした教育活動を推進した。

 また、道道徳教育推進事業指定校として、各教科等との関連を図った道徳の時間の年間指導計画の工夫・改善を行うとともに、子どもの心を揺さぶる発問の工夫、ワークシートや心のノートの活用、思いや考えを深める指導などの指導方法の研究を進め、「道徳教育実践発表会」を開催するなど、その成果を全道に広く発信し、高い評価を得た。

 教育行政においては、日高教育局義務教育指導監として、各学校における校内研修体制の充実による授業改善や服務規律の徹底を図るための指導助言に努め、学校経営の改善・充実に貢献した。

 さらに、全国連合小学校長会理事や道小学校長会副会長等の要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。

▼八木裕(六〇)=函館市立昭和小学校長

 昭和五十三年以来、本道の小学校教育および教育行政に携わり、特に、社会科教育においては、高い専門性をもって優れた研究実績を収めるとともに、函館市小学校社会科教育研究会会長を務め、夏季・冬季研修会などの各種研修会を開催し、後進の育成に力を注ぐとともに、道社会科教育研究大会函館・渡島大会の開催に尽力するなど、本道教育の充実発展に貢献した。

 教育行政においては、函館市南北海道教育センター所長として、函館市の教職員の研修体系を整備したほか、「課題別研修」などの研修講座を開設し、社会の変化に対応する学校運営の在り方について適切かつ効果的な指導・助言に努めた。

 また、全国教育研究所連盟カリキュラム研究協議会を主管し、成功に導くとともに、「教育講演会」などの研究会や研修会において、学校運営の方向性に示唆を与えるなど、教育水準の向上に大きく貢献した。

 さらに、全国連合小学校長会理事や道小学校長会副会長等の要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。

▼吉崎隆(六〇)=旭川市立知新小学校長 ※「吉」は「土」に「口」

 昭和五十三年以来、本道の小学校教育に携わり、きめ細かで質の高い教育の推進に尽力した。特に、学力向上では、ICTの積極的な活用によって魅力ある授業を数多く実践するとともに、体力向上では、朝の学級活動や体育の授業を連動させ、マラソン、縄跳びなどの種目を通して運動課題に挑戦させ、児童に「できた」という達成感をもたせるなど、教育の充実に大きな成果を上げた。

 また、心豊かに、たくましく生きる子どもの育成を目指し、実践を重ね、平成二十二年度には、道社会科教育研究大会旭川大会運営委員、助言者等として、二十五年度には道道徳教育研究大会上川・旭川大会運営委員長として、大会の企画・運営に携わり、管内はもとより全道から高い評価を得ている。

 さらに、道小学校長会理事や旭川市中学校長会会長、道道徳教育研究会副会長等の要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。

▼長末好弘(六〇)=稚内市立稚内東中学校長

 昭和五十五年以来、本道の小・中学校教育に携わり、へき地教育の課題である複式教育の実践・研究に努めるとともに、稚内市および道教委の小中一貫教育に関する研究指定を受け、「交流から連携へ、連携から一貫へ」という計画のもと、中学校への円滑な移行ができる教育課程の改善充実に尽力した。

 また、平成二十三年度には道中学校長会研究大会旭川大会において、小・中および中・高の連携による授業や生徒指導の交流について提言するなど、管内はもとより全道の教育の充実発展に貢献した。特に、地元のYOSAKOIソーランチームと連携した演舞講習会を通じて、地域やチームとのかかわりやリーダーを中心とした仲間同士の学び合いによって、生徒同士の信頼関係や自己肯定感の育成に大きな成果を上げた。

 さらに、全日本中学校長会会計監査や道中学校長会副会長等の要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。

▼中村吉昭(五九)=幕別町立幕別小学校長

 昭和五十三年以来、本道の小・中学校教育に携わり、特に、音楽教育における実践研究を積み重ね、十勝教育センター音楽講座講師として、管内の教員の指導力向上と音楽活動の振興に貢献した。

 また、十勝小・中校長会会長として、学力向上に対する責任を継続して果たしていくために、従来のPDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルから、GPAC(数値目標設定・計画・実践・評価)による進行管理への転換を推進するなど、優れた指導力を発揮した。

 さらに、全国連合小学校長会理事や道小学校長会副会長等の要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。

▼加藤禎一(七〇)=音更町教委委員

 昭和四十二年以来、教員として小・中学校教育に携わり、特に、教職員のリーダーとして定期的に地域住民との懇談会の開催や学校評議員との連携等を通して、地域に開かれた学校づくりに尽力するなど、学校教育の充実に貢献した。

 平成十七年から音更町教委の教育行政に携わり、学校評議員制度を活用し、地域と学校の信頼を深めることに大きく貢献するとともに、子どもたちがより安心して学べる教育環境を整備するため、学校施設の改築や耐震化工事を積極的に進め、全校の校舎・体育館の耐震補強に尽力した。

 また、生涯学習活動の活性化のため、町立図書館の充実に力を注ぎ、蔵書冊数の目標を定め、計画的に蔵書を整備することで、分野別の蔵書を充実するなど、町民の読書活動の中心となる生涯学習施設の発展に貢献した。

 さらに、道町村教育委員会連合会理事や十勝管内教育委員会連絡協議会会長等の要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。

▼大場和典(六〇)=釧路市立景雲中学校長

 昭和五十一年以来、本道の中学校教育および教育行政に携わり、特に、音楽教育において、「表現と鑑賞の一体化」をテーマとして確かな理論と豊富な実践に基づいた指導に情熱を傾けるとともに、全道および管内の数多くの研究会において発表者や助言者を務めるなど、本道の教育振興に貢献した。

 教育行政においては、厚岸町教委指導室長として、平成十年の学習指導要領改訂によって新設された「総合的な学習の時間」や、新たに導入された「完全学校週五日制」の対応に尽力し、また、釧路教育局義務教育指導監として、学校経営を進める各学校長へ的確な指導助言を行い、管内の学校管理職の結束力を高めることに努めた。

 さらに、道中学校長会副会長や釧路市小中学校長会会長、道音楽教育連盟副会長等の要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。

(道・道教委 2015-10-30付)

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