札幌市学校教護協会が理事幹事研　発達障がいの理解深めて　東京未来大・渡辺教授が講演

（関係団体 2015-11-09付）

札幌市学校教護協会が理事幹事研修会

　札幌市学校教護協会（前田敏文理事長）は五日、ホテルライフォート札幌で第三回理事幹事研修会を開催した＝写真＝。東京未来大学の渡辺千歳教授が「発達障がいのある生徒の理解と支援」と題して講演。参加した約二百人は発達障がいにかかわる研修を通して、指導力の向上を図った。

　冒頭、小原善孝副理事長があいさつ。渡辺教授の経歴を紹介したほか、「近年、発達障がい、もしくはそれが疑われる中学生の生徒指導が増加している傾向にある中で、講演を通して指導力の向上を図りたい」と話した。

　続いて、渡辺教授が「発達障がいのある生徒の理解と支援」と題して講演した。「社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応における持続的な欠陥がある」など、自閉スペクトラム症の症状について説明したほか、支援方法として、①コミュニケーションカード②スケジュール表③間仕切り・衝立④サポートブック―の四点を提示。「何を伝えたいかを分かりやすくする」「この日は何をするかを事前に説明する」などの例を挙げ、児童生徒への対応を説明した。

　また、限局性学習症や読み書き障害などの症状、支援方法について説明したほか、発達障がいの二次障害として「自尊感情・自己評価の低下」「他者への恐怖・不信感」「対人コミュニケーションを習得できない」などを挙げた。

　発達障がいの理解と支援に向け、「その個人の発達を理解することや、保護者との協力関係を築くことが重要」と説明したほか、児童生徒に対し、「苦手なことや困難なことを努力で克服することを求めない」「得意なことやできそうなこと、好きなことを伸ばして強みとする」ことなどに留意するよう求めた。

(関係団体 2015-11-09付)