道いじめ問題審議会開く 子どもの主体的活動支援 経過含めた見取りが必要
(道・道教委 2015-11-18付)

いじめ問題審議会
27年度第1回道いじめ問題審議会

 道教委が設置する道いじめ問題審議会(宮﨑隆志会長)は十六日、札幌市内のかでる2・7で二十七年度第一回審議会を開いた=写真=。いじめ問題の調査結果報告などを受けて協議し、委員からは、「いじめが解消したと短絡的にとらえるのではなく、経過を含めてみていくべき」「学校いじめ防止基本方針をつくっていても、形骸化し、教師も内容を知らない状況も見受けられる。危機意識が薄いのでは」などの指摘のほか、「教師が子どものささいな変化などを感じ取れるような状況をどのようにつくるかが大事」「大人が先に動きがちだが、子どもが自ら動けるよう支援するべき」などの意見が出た。

 同審議会は、道いじめ防止等に関する条例に基づき、道教委の附属機関として設置。いじめ防止策の協議や重大事態発生時の調査を行う。

 本年度第一回審議会には、委員八人が出席した。

 冒頭、杉本昭則学校教育監があいさつ。「学校、家庭、地域、行政、その他の関係者相互の連携・協力のもと、社会全体でいじめの問題を克服する実効性ある取組を推進することや、それらの取組の検証と改善・充実を図ることがますます重要」と述べ、審議会での活発な協議を求めた。

 このあと、道教委担当者が本道におけるいじめの現状や、いじめ問題に対する道の取組について説明。それに基づき、協議を行った。

 委員からは、いじめ問題の調査方法について、「いじめが表面化しておらず、アンケート結果だけからでは読み取れない部分があるのでは」「いじめの認知方法は難しいので、いろいろな方法で調べる必要がある」「誰が誰をいじめているかが分かり、なおかつ、情報もとが分からないように工夫する必要がある」などの意見が出た。

 調査結果の取扱いなどについて、「いじめが本当に解消されているのか、現状を必ずしも反映しているかが、調査結果だけでは分からない」「解消したと短絡的にとらえるのではなく、経過を含めてみていくべきではないか」との声のほか、「数字だけをみるのではなく、調査結果をどのように教育に生かしていくかが大事」という意見もあった。

 「問題の重みの受け止め方に温度差がある。子ども同士で話し合わせ、いじめた子が謝ったから、いじめは解消されたことになったが、いじめられている子に聞くと、その場に先生がいるから謝っているだけで、状況は変わっていない。だから、先生に相談しても無駄と言っている」と事例を挙げ、「一つ一つの学校、一人ひとりの教師に浸透するような取組をお願いしたい」と求める委員がいた。

 学校の取組について、「学校いじめ防止基本方針をつくっていても、形骸化し、教師も内容を知らない状況も見受けられる。危機意識が薄いのでは」と指摘する声があった。

 さらに、「教師と子どもが密接にかかわっていれば、いじめはみつかる。しかし、教師は事務処理などに追われて忙しく、子どもから離れてしまっている。教師が子どものささいな変化などを感じ取れるような状況をどのようにつくるかが大事」「いじめをやめさせるためには、子どもだけではなく、大人の意識も変えなければならない。教師や保護者を含め、みんながいじめ問題を考える必要がある」「子ども自らが活動できる状況をつくることが大切。大人が先に動きがちだが、子どもが自ら動けるよう支援するべき」などの意見があった。

 このあと、審議会では、重大事態に該当する事案について協議した。

(道・道教委 2015-11-18付)

その他の記事( 道・道教委)

道教委が交通違反等防止で通知 教育公務員として自覚を 道立高校長の無免許運転受け

 道立高校長が無免許運転で検挙される事案の発生を受け、道教委は、十八日付で「教職員一人ひとりが教育公務員としての自覚をもち、絶対に事故を起こさないという意識の高揚を図る取組を継続的に行う」こ...

(2015-11-20)  全て読む

留萌局子どもたちの学力について考える会 〝つながり〟が学力上げる 道教育大教職大学院・笠井教授が講演

学力について考える会  【留萌発】留萌教育局は十日、苫前町公民館でほっかいどう学力向上推進事業「北海道の子どもたちの学力について考える会」兼苫前町ふるさと教育セミナーを開催した。北海道教育大学教職大学院の笠井稔雄...

(2015-11-20)  全て読む

読書に親しむ体験事業実施校―道教委 別海上西春別小など8校 ビブリオバトルやPOP広告づくり

 道教委が本年度着手した「読書活動充実事業(読書に親しむ体験事業)」の実施校がまとまった。別海町立上西春別小学校など八校で、専門家によるPOP広告づくりやビブリオバトルの体験教室を実施。図書...

(2015-11-20)  全て読む

道教委と職員団体が賃金確定交渉 人事委勧告どおり実施 一般職の独自縮減は終了へ

 道教委と各職員団体との賃金確定交渉が、十七日夜から十八日にかけて順次行われた。柴田達夫教育長は、本年の給与改定について、「人事委員会勧告どおり実施することとし、関係条例改正案については、国...

(2015-11-19)  全て読む

道教委アクティブ・ラーニング推進へ研究大会 研究成果の共有図る 230人が授業実践、協議に参加

稜北高アクティブ・ラーニング  【函館発】道教委は十一月上旬、課題解決に向けた主体的・協働的な学び(アクティブ・ラーニング)推進事業の一環として「主体的・協働的な学びに関する全道研究大会」を開催した。会場となった函館稜北...

(2015-11-19)  全て読む

道教委学校職員評価制度見直しモデル実施校 小・中・高・特の計47校を指定 評価・面談成果もとに手引作成へ

 道教委は、学校職員評価制度の見直しにかかる「学校抽出によるモデル実施」学校を決定した。全管内の小・中・高校と、五校の特別支援学校の計四十七校。モデル校では、新たな学校職員人事評価シート案や...

(2015-11-18)  全て読む

十勝局が道徳教育推進教師研開く 主題明確にした実践を 150人が模擬授業参観し議論

道徳教育推進教師研修  【帯広発】十勝教育局は十日、十勝合同庁舎で本年度第二回道徳教育推進教師研修を開催した=写真=。管内小中特別支援学校から約百五十人が参加。参加者は、模擬授業や実践発表などを通して道徳教育の改...

(2015-11-17)  全て読む

特別支援教育の本年度就学状況等まとめ・道教委5月1日現在 特別支援学級1万1375人が在籍 学級数は3762学級に

 道教委は、本年度の特別支援教育の就学状況等をまとめた。道内の特別支援学級の在籍児童生徒数は、二十六年度と比べて七百五十六人増の一万一千三百七十五人にのぼり、学級数は三千七百六十二学級で、二...

(2015-11-17)  全て読む

特別支援学校等卒業者の進路状況27年3月末・道教委まとめ 983人卒、233人が就職

 道教委は、二十七年三月の特別支援学校等卒業者の進路状況をまとめた。特別支援学校高等部の卒業生九百八十三人中、六百五十一人が福祉施設利用、二百三十三人が就職している。  障がい種別では、知...

(2015-11-17)  全て読む

北海道総合教育大綱(下) 活力ある未来へ人財育成 私学振興、大学との連携も

Ⅱ 北海道の未来を拓く人財の育成  本道の活力ある未来の形成に向けて、北海道を支える農林水産業、食や観光などの産業に携わる人材や、科学技術や地域医療を担う人材の育成を進める。また、国際的な...

(2015-11-16)  全て読む