北海道総合教育大綱(下) 活力ある未来へ人財育成 私学振興、大学との連携も
(道・道教委 2015-11-16付)

Ⅱ 北海道の未来を拓く人財の育成

 本道の活力ある未来の形成に向けて、北海道を支える農林水産業、食や観光などの産業に携わる人材や、科学技術や地域医療を担う人材の育成を進める。また、国際的なコミュニケーション能力や世界へのチャレンジ精神を有するとともに、日本や北海道に対する理解と異文化に対する寛容性を併せもつグローバル人材の育成を進める

▼施策項目16 産業人材の育成

▽農業・工業・商業・水産・家庭・看護・福祉などの専門学科を設置する高校において、地域や産業界、試験研究機関などと連携した産業教育を充実する

▽職業に必要な実践的かつ専門的な能力を育成する専修学校等において、地域や産業界等と連携しながら、実務に関する知識や技術等に関する職業教育の充実を図り、産業人材の育成を進める

▽地域産業の振興や、本道経済の好循環の実現に向けて、本道の基幹産業である「観光」や「食」、関連産業の裾野が広く雇用創出効果が高い「ものづくり」、地域経済を支える「建設」などの分野で、地域ニーズに基づく人材の育成・確保を図る

▽道立農業大学校において、農業経営を行うために必要な知識・技術の習得を目的とした実践的な研修教育を行うとともに、北海道農業公社とも連携して、新規就農を目指す人材の育成を推進する

▽森林や林業に関する専門知識・技術・実務経験を有する人材の育成を進めるとともに、依然として高齢層の割合が高い林業従事者の若返りを図るため、関係機関と連携しながら、新規参入者の育成・確保に向けた取組を推進する。また、道立漁業研修所における実践的かつ専門的な研修活動を推進するほか、漁村において指導的役割を果たす人材や、漁業を志す人材の育成を進める

▽大学や国立専門学校等と連携して、本道におけるものづくり人材の育成を図るとともに、道立高等技術専門学院や民間職業訓練機関における教育訓練活動を充実し、工業や建築など幅広い分野における技能者の育成を進める

▽ニートやフリーターの解消など、若年層の職業的自立を促進し、産業人材としての育成を進める

▼施策項目17 理数系・医療系人材の育成

▽将来の科学技術産業を担う人材の育成に向けて、大学や研究機関、企業などと連携しながら、理数好きの若者や優れた素質をもつ若者を発掘・養成するとともに、その才能を伸ばす取組を進める

▽北海道の地域医療の充実に向けて、地域医療の現状や医師・看護師をはじめとする医療従事者についての理解を深めるとともに、医療従事者を目指す若者たちの進路実現に向けた学力向上を図りながら、将来の地域医療を担う人材の育成を進める

▽北海道公立大学法人札幌医科大学においては、「人間性豊かな医療人の育成」「道民の皆様に対する医療サービスの向上に邁進すること」および「国際的・先進的な研究を進めること」の三つの基本理念のもと、教育・研究・診療の充実と地域医療への貢献に取り組んでおり、本道の医学の発展と地域医療の向上に貢献できるよう支援する

▼施策項目18 グローバル人材の育成

▽本道の国際競争力の向上に向けて、国際的なコミュニケーション能力や世界へのチャレンジ精神を有するとともに、日本や北海道に対する理解と異文化に対する寛容性を併せもつグローバル人材の育成に関する取組を推進する

▽国際共通語である英語を使って積極的にコミュニケーションを図ることができる人材の育成に向けて、学校教育において子どもたちに対し、会話力や表現力など実践的な英語力を育成するとともに、実践的な英語を指導できる力を備えた教員を養成する取組を推進する

▽北海道の子どもたちが、外国人の方に魅力あふれる北海道のことを語り伝えることができるなど、子どもたちに対する外国語教育や国際理解教育、ふるさと教育の充実に取り組む

▽若年層の海外留学促進に向けて、必要な情報の発信や留学気運の醸成など、海外留学を志す若者に対する支援を充実する

Ⅲ 私学教育の振興

 本道教育の一翼を担う重要な役割を果たしている私立学校(幼稚園・小学校・中学校・高校・専修学校・各種学校)について、その自主性を重んじ、特色ある教育活動が積極的に展開されるよう、私学教育の振興を図る

▼施策項目19 私学教育への支援の充実

▽私立学校の自主性を重んじ、期待される特色ある教育活動が一層促進されるよう、魅力ある学校づくりに向けた取組を支援する

▽すべての意思ある高校生等が、安心して教育を受けられるよう、修学上の経済的負担の軽減に努める

▽教育条件の維持向上を図るとともに学校経営の健全性が高まるよう、私立学校に対する助成に努める

▽関係機関や団体との連携を図り、教員の資質向上や学校経営に関する取組を支援する

〈私学関連施策項目〉

・施策項目1 幼児教育・保育活動の推進

・施策項目2 確かな学力を育む教育の推進

・施策項目3 健やかな体を育む教育の推進

・施策項目4 豊かな心を育む教育やいじめ問題等への取組の充実

・施策項目5 特別支援教育の充実

・施策項目6 ふるさと教育の充実

・施策項目7 キャリア教育・職業教育の充実

・施策項目8 地域全体で子どもたちの学びを支援する取組の推進

・施策項目9 生活困窮世帯等の子どもたちへの教育支援

・施策項目10 子育て支援・家庭教育支援の充実

・施策項目11 学校間連携の促進

・施策項目13 ICTを活用した教育の推進

・施策項目14 教職員の資質・能力の向上

・施策項目15 学校施設・設備等の整備・充実

・施策項目16 産業人材の育成

・施策項目17 理数系・医療系人材の育成

・施策項目18 グローバル人材の育成

Ⅳ 大学等との連携の推進

 大学等の高等教育機関と連携・協働して、教育に関する取組や地域活性化に関する取組を進める

▼施策項目20 大学等と連携した教育や地域活性化の推進

▽学校教育における多様な課題の早期解消に向けて、高大連携の促進など、大学等の高等教育機関と連携・協働した取組を進める

▽地域における新たな雇用創出や若者定着などを促進し、地域の活性化を促すため、地域を担う人材の育成に取り組む大学や、高度の専門的職業人材の育成を担う高等専門学校等との連携を進める

▽本道社会の持続的な発展に向けて、大学や企業等と連携し、既成観念にとらわれずに豊かな発想力を持って新たな価値を創造することができるイノベーション人材の育成・発掘に取り組む

▽本道教育や本道経済の発展に資する高度な人材の育成に向けて大きな役割が期待される大学等の高等教育機関について、一層の質や魅力の向上を図り、道内はもとより、道外・国外からより多くの学生を引きつけることができるよう、高等教育機関相互の連携、また、地方公共団体との連携・協力を促進する

Ⅴ 生涯学習や文化芸術・スポーツの振興

 地域の活性化に寄与する生涯学習の振興を図る。また、北海道らしい個性的な文化や芸術の振興を図るとともに、「スポーツの力」をキーワードとした様々な取組を通して、人づくり・地域づくりを進め、スポーツ王国北海道の実現を目指す。

▼施策項目21 地域の活性化に寄与する生涯学習の振興

▽将来にわたって暮らし続けたいと思える北海道づくりに向けて、様々な学習ニーズに応え、学習の成果を人づくりや地域づくりに活かすための学習機会を提供するなど、生涯学習社会の構築に向けた社会教育の充実に取り組む

▽住民に身近な学びの中核施設である公民館等の社会教育施設において、世代や立場などが異なる様々な人々の絆をつくり上げ、地域のコミュニティ形成や住民による主体的な地域課題の解決につながる様々な学習活動を充実させるための機能を高める取組を進める

▽自然災害等の危険に際し、自らの命を守り抜くため、地域とも連携しながら防災教育の取組を推進する

▼施策項目22 文化・芸術の振興

▽子どもから高齢者まですべての道民が、生涯を通じて文化に親しむことのできる環境づくりを進めるため、市町村や関係機関と連携を図りながら、芸術文化活動へ参加する機会や芸術鑑賞等の文化に触れる機会などの充実を図る

▽地域における文化活動を促進するため、若手芸術家等の活動支援や地域の文化活動を支える人材の育成に取り組む

▼施策項目23 スポーツ活動の推進・環境の充実

▽総合型地域スポーツクラブの育成や、スポーツ関係団体等との連携・協働などを通じて、高齢者や障がい者のスポーツ体験活動を含め、ライフステージに応じた地域スポーツ活動を推進する

▽スポーツ指導者の養成や、スポーツ関連情報の収集・提供、道立スポーツ施設の管理運営などを通じて、道民が自ら進んで参画するスポーツ環境の充実を図る

▽国際レベルの競技大会の開催やスポーツ合宿の誘致、プロスポーツ等との交流の促進などにより、道民のスポーツへの関心を高める

▽世界の舞台で活躍するトップアスリートの育成を目指し、戦略的な選手強化および指導者の充実により競技力の向上を図るとともに、本道出身の優れた選手の指導者への転身など、本道におけるスポーツ界の好循環の創出に取り組む

(道・道教委 2015-11-16付)

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