札幌市教委が教育研究推進事業校内研究推進会議　校内研究推進に向け研鑚　市立小・中から３００人が参加

（市町村 2015-11-26付）

札幌市教育研究推進事業校内研究推進会議

　札幌市教委は二十四日、札幌市生涯学習総合センターで二十七年度札幌市教育研究推進事業校内研究推進会議を開催した＝写真＝。市立小・中学校の校内研究推進委員ら約三百人が参加。校内研究の円滑な推進に向け、資質能力の向上を図った。

　同会議は、校内研究の内容や研究推進方法等について協議・意見交換を行い、校内研究活動の充実・向上に資することが目的となっている。

　冒頭、紺野宏子研修担当課長があいさつ。春や秋の研究集会で公開授業や実践発表、研究協議が行われ、成果が上がったことにふれたほか、「各学校において今回の研修を通して、校内の研究推進に向けた体制づくりと札幌市教育研究推進事業にかかわる取組を進めてほしい」と呼びかけた。

　続いて、教育課程担当課義務教育担当係の佐藤圭一指導主事が校内研究推進に向けた説明を行った。佐藤指導主事は、文部科学省中央教育審議会教育課程企画特別部会が八月にまとめた論点整理を紹介。「一人一人が自らの可能性を最大限に発揮し、よりよい社会と幸福な人生を自ら創り出していくこと」「自ら問いを立ててその解決をめざし、他者と協働しながら新たな価値を生み出していくこと」などを示し、子どもたち一人ひとりが受身ではなく、能動的に動くことが必要なことを説明した。

　また、札幌市の教育が目指す「自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら問題を解決する資質や能力等」の学ぶ力について、三つの要素である学ぶ意欲や学んだ力、生かす力を説明。市教委が各学校に作成を要請している学ぶ力育成プログラムについては、自校の児童生徒の学ぶ力の実現状況を踏まえ、指導方法等の課題を明確化し、改善に向けたプログラムの作成、実行に取り組むほか、校内研究と関連付けて作成するよう求めた。

　子どもの学ぶ力を育成するために、各学校の取組を紹介したほか、学ぶ力の育成のポイントとして、①難しいことにも挑戦する意欲を伸ばす②「自ら学ぶ方法」と「人と学び合う方法」を身に付けられるようにする③意味理解を伴った知識の習得と知識を使いこなす力を伸ばす④自分の「伸び」を実感して新たな目標をもてるようにする⑤生活を自らコントロールする力を育む―の五つを提示した。

　校内研究推進に当たって、全員参加や企画を促すコーディネート方法として、子ども理解や方法の吟味、教師の想定力を向上させる模擬授業や気づいた点を付箋を使って貼るなど多くの教員の参加を促す授業後の協議などを説明。「校種や学年、教科をつなぎ、全校で学ぶ力を育むための研究を」「ＰＤＣＡサイクルを意識すること」などと呼びかけた。

(市町村 2015-11-26付)