帯広市エリアファミリー南町中エリア　自学する子を地域で育成　旭川美術館・菅沼館長が講演

（市町村 2015-11-30付）

帯広市エリアファミリー南町中エリア教育講演会

　【帯広発】帯広市エリアファミリー南町中エリアは十三日、帯広市立稲田小学校（斉藤昌之校長）で教育講演会を開催した。学校関係者やＰＴＡなど約百二十人が参加し、道立旭川美術館の菅沼肇館長が「自学する子に育てよう～地域の子どもは地域で」と題して講演＝写真＝。参加者は、様々な事例をもとに、学校・地域・保護者が連携して、自学する子を育む大切さを学んだ。

同講演会は、子どもたちの学びと育ちをつなぐ仕組の基盤として機能するエリアファミリーの特性を生かし、家庭教育や地域連携を含めた生きる力を育む子育ての在り方について思いを深めるもの。市内の南町中エリアをはじめ、管内から学校関係者やＰＴＡなど約百二十人が参加した。

　道立旭川美術館の菅沼館長が「自学する子に育てよう～地域の子どもは地域で」と題して講演した。

　菅沼館長は、自学する子を育むために取り組むべき項目として、①学習する時間を確保すること②学習したことを繰り返し確かめること③指導方法の工夫改善④学習習慣を身に付けること⑤生活のリズムを整えること⑥家族で過ごす時間を大切にすること―の六点を提示。その上で、「当たり前のことを当たり前にすることを続けることで、質の高い〝当たり前〟が生まれる」と強調した。

また、「義務教育九年間における子どもたちの育ちを、地域ぐるみで支える仕組みをもつことが大切」と指摘。「地域とともにある学校づくりに向け、様々な課題解決に地域保護者が参画し、子どもの成長を支えてほしい」と呼びかけた。

　このあと、様々な事例をもとに「自学する子の育成」や「学校・地域・保護者が連携する大切さ」などについて解説した。

　参加者は、「自学する人間を育成するため、子どもたちにとってより良い環境をつくりたい」「〝九年かけてみんなで育てていく〟ことの大切さをあらためて感じた。今後は、身近にいる大人としてできることを考え、実践していきたい」などの感想が寄せられた。

※帯広市エリアファミリー＝市内中学校十四校の各校区を一エリアに設定し、幼保小中連携の取組を推進するもので、二十二年度からスタート。子どもの成長段階での「学び」をつなげるため、乗り入れ授業や教員交流、学校行事への参加などを展開している。

(市町村 2015-11-30付)