中高連携踏まえた実践を　道中学・高校英語教育研究大会開く

（関係団体 2015-11-30付）

道中学校･高校英語教育研究大会

　第五十八回道中学校・高校英語教育研究大会が二十日、ホテルライフォート札幌で開かれた＝写真＝。約二百人が参加し、主題「中高連携を踏まえた英語教育をどう進めるか」のもと、提言発表や公開授業、講演を通して、研鑚を積んだ。

　道中学校・高校英語教育研究会、道中学校英語教育研究会、道高校英語教育研究会が主催。

　開会式では、加藤佳栄大会長（道中学校・高校英語教育研究会会長、札幌市立稲穂中学校長）があいさつ。英語教育をめぐる国の動向にかかわり、「小学校中学年での外国語活動の導入、また、高学年での教科型指導の実施等を踏まえた中学校英語教育の改善が一層求められている」と指摘。また、「中学校と高校との接続も大きな課題となっている。高校にかかわっては、四技能の重視、アクティブ・ラーニング、高大接続という教育改革も進められる」と説明した。

　その上で、「英語教育の大きな変換の時期に、本大会を開催することは大変意義深い。本大会での中高のつながりを今後さらに生かしながら、変革を適切にとらえ、本道の中高連携を踏まえた英語教育の実践の充実を図っていきたい」と述べ、大会の成果に期待を込めた。

　次いで、札幌市教委の長岡豊彦教育長が来賓あいさつ。文部科学省のグローバル化に対応した英語教育改革実施計画にふれながら、「英語教育は大きな変革の時代を迎えているが、本大会を契機にこの大きな波を乗り切っていただきたい」などと述べた。

　このあと、札幌市立北野台中学校の鎌田洋子教諭が「Ｄｅｖｅｌｏｐｉｎｇ　Ｓｅｌｆ―Ｍｏｔｉｖａｔｅｄ　Ｓｔｕｄｅｎｔｓ～“自律した学習者”が育つために私たちができること」、岩見沢東高校の佐藤光洋教諭が「四技能を統合した言語活動を取り入れた授業への転換について」をテーマに提言した。

　鎌田教諭は、四技能に、疑問・意見・感情などの“Ｆｅｅｌｉｎｇ／Ｔｈｉｎｋｉｎｇ”という技能を加えた五技能を使い、生徒が自己肯定感を高め合う活動、多様な考えを引き出す課題に主体的に取り組む活動などを紹介した。

　佐藤教諭は、大学入試対策英語から脱却し、授業に四技能を統合した言語活動を取り入れることで、生徒に自己肯定感と気づきを生んだ実践例を報告した。

　提言発表に対し、札幌市教委の関根昌彦指導主事と道教委高校教育課の小西晃主査が助言した。

　このあと、札幌市立山鼻中学校の滝田貴紀教諭が同校一年二組の授業を公開した。

　また、文教大学国際学部教授の阿野幸一氏が「ＣＡＮ―ＤＯリストで授業を変える」と題して講演した。

(関係団体 2015-11-30付)