ＩＣＴ環境整備が課題　「ＮＥＷ　ＥＤＵＣＡＴＩＯＮ　ＥＸＰＯ」２０周年―札幌で教育の情報化セミナー

（関係団体 2015-12-01付）

２０周年を迎えた「ＮＥＷ　ＥＤＵＣＡＴＩＯＮ　ＥＸＰＯ」

　教育のＩＣＴ活用や機器などを紹介する「ＮＥＷ　ＥＤＵＣＡＴＩＯＮ　ＥＸＰＯ」がことし二十周年を迎え、特別企画第三弾として十一月二十四日、札幌市内のユビキタス協創広場Ｕ―ｃａｌａ（ユーカラ）で全国横断教育の情報化セミナーが開催された＝写真＝。実行委員会（事務局・㈱内田洋行教育総合研究所内）の主催。

　全道の教育委員会・学校教職員など六十五人が参加し、教育の情報化の現状やタブレット端末の活用事例、ＩＣＴの活用後の効果などについて理解を深めた。

　基調講演では、文部科学省生涯学習政策局情報教育課の松本眞氏が「教育改革の方向性と教育の情報化について」と題して講演。日本の教育の現状と課題や学習指導要領の改訂、教育の情報化の現状と課題等について文部科学省の動向を踏まえながら解説した。

　松本氏は、ＩＴ化が進み人工知能が発達すると、産業構造・労働市場に大きな転換が予想されることから、「雇用が流動化していく中でしっかりと生きていく力を付けていくために、各学校現場でも教育する必要がある」と訴えた。また、日本の生徒の社会参画に対する意識の低さにふれ、「若者が夢をもって社会を変えていく等の思いがもてるようなチャンスを教育でも与えることができれば」と期待した。

　教育の情報化の現状を説明した松本氏は、今後の課題について、「学校のＩＣＴ環境整備、教員のＩＣＴ活用、指導力向上など、教員の研修も緊急かつ重要な課題である」とし、各自治体での研修会の開催と参加を呼びかけた。

　このあと、放送大学教育支援センターの中川一史教授が「タブレット端末活用とアクティブ・ラーニング」、札幌市立発寒西小学校の新保元康校長らが「今後のタブレット端末活用に向けた動きについて」と題して解説した。

(関係団体 2015-12-01付)