空知道徳教育研究大会開く　夢と感動与える時間を　南幌中・岩見沢市栗沢小で授業公開

（関係団体 2015-11-26付）

空知道徳教育研究大会

　【岩見沢発】空知道徳教育研究会（松岡宏之会長）は十三日、二十七年度空知道徳教育研究大会を開催した。管内小・中学校の教職員ら約三十人が参加。岩見沢市立栗沢小学校と南幌町立南幌中学校で授業公開を実施したほか、研究協議を通してより良い道徳の授業づくりに向けて研鑚を積んだ。

　研究主題は「心に響く資料を活用し、夢と感動を与える道徳の時間を目指して」。当日は、栗沢小二年二組道徳（橋本貴代教諭）、南幌中二年Ｂ組道徳（沼山良太教諭）の授業を公開した。

　うち、南幌中二年Ｂ組「われ、ここに生きる」＝写真＝では、本時の目標を「働くことの意義を自覚し、進んで世のため人のために尽くし、公共の福祉に貢献しようとする信条を育てる」に据えた。

　授業では、生徒たちが十月の職場体験学習で感じた働くことの楽しさ、大変さに関する感想を読み上げたあと、沼山教諭が「働く意義についてさらに深く考えてみよう」と、本時のテーマを提示した。

　釧路赤十字病院浜中診療所で地域医療に従事した道下俊一医師を題材とする『われ、ここに生きる』の資料を使い、道下医師の考え方や家族構成、将来の夢などをまとめた。

　道下医師が浜中診療所に赴任し七年が経過し、念願だった札幌での開業を決意した矢先、住民たちから〝診療所にとどまってほしい〟と懇願されたという資料を読んだあと、沼山教諭が「この先の展開を予測してみよう」と発問。生徒たちは、「地域の人々のために診療所にとどまると思う」「札幌に戻り、夢だった開業医になるのではないか」などと意見を述べた。

　続いて、道下医師が自分の心の声に従って診療所にとどまる決意を妻に打ち明けたこと、以後、数十年にわたり地域医療に従事し続けたことを示す資料を読んだあと、感想をまとめた。

　生徒たちは「道下医師の“人間は自分の魂に忠実に、自分に恥じない生き方をすることが大切”という言葉が心に残った」「道下医師のように人から頼られ、感謝される人間になりたい」などと述べていた。

　このあと、南幌中で開会式を行ったほか、研究討議を実施。空知教育センターの春日淳一所長が助言者を務め、より良い授業づくりに向けて意見を交換した。

(関係団体 2015-11-26付)