専門性高める活動目指して 道視覚障害教育研究大会函館大会開く(関係団体 2015-11-25付)
道視研函館大会・開会式
【函館発】道視覚障害教育研究大会函館大会が十九~二十日の二日間、函館盲学校で開催された=写真=。関係者約六十人が参加。研究主題「視覚に障害のある幼児児童生徒一人一人のニーズに応じた指導・支援の在り方の探究」をもとに、公開授業や全体会、分科会での研究協議を通じて、視覚障がい教育の充実、発展に努めた。
大会は、道視覚障害教育研究会(石川大会長)と全日本盲学校教育研究会道支部(石川大支部長)の共催。
開会式であいさつに立った石川会長は、全国の盲学校・視覚支援学校における幼児、児童、生徒の在籍数が減少し、教職員の専門性の維持・向上のための取組が大きな課題となっていることを示し、「選ばれる盲学校としての時代が来ている。魅力ある盲学校であるためには、教育活動の充実、専門性を高めていくことが求められている」と述べ、課題解決に向けた取組強化を訴えた。
主管校を務めた函館盲学校の茂垣之弘校長は「子どもたち一人ひとりと向き合い、いろいろな面を伸ばしていかなければならない。それが我々の心の一番底にある」と述べ、様々な実践の積み重ねの重要性を訴えた。大会における公開授業にふれ、「授業のつくり方、進め方にはいろいろな課題がある。実際の授業に参加したり、日々の授業を見たりすることは、大きな力になる」と、大会の成果に期待を寄せた。
また、来賓として出席した渡島教育局の辻俊行局長は大会における公開授業の授業者や、研究発表を行う教師の努力に敬意を表し、「客観的な目で評価されることは、数少ない貴重な機会。教材をみる目が養われ、子どもに対する発問の質が高まる」と、高い専門性をもつ今後の授業等への反映を願った。一方で、「きめ細かな教育とともに、学習指導要領に基づいた教育とはどうあるべきかという観点も重視した教育を」と述べ、より充実した教育活動を求めた。
◆ニーズに応じた指導展開―函館盲で公開授業や研究発表
大会初日は、三つの授業が公開されたほか、三つの教科部会と、障害別部会、課題別部会、生徒部会の六部会で、それぞれ研究発表、協議が行われた。
主管校の函館盲学校は現在、研究主題として「一人一人の教育的ニーズに応じた授業作りを目指して~次の授業に生かすための評価のあり方について探る」を掲げ、授業実践、授業改善に力を入れている。公開授業では、研究主題に基づく授業を展開した。
小学部では、成田真里教諭が一年生男子児童一人の自立活動学習を公開した。成田教諭は、重複障がいのある児童に対して、「見ること」「聞くこと」「集中して活動に取り組むこと」を意識付ける授業を進めた。
中では、多数の参観者がいる教室で、児童を授業に集中させることに努め、絵カードやひらがなカードなどを用いながら、児童が苦手とする「ハ行」の音を中心に、より明瞭な発音・発語を目指した指導を行った。
中学部では、清水正樹教諭が一年生男子生徒一人の社会科学習=写真=を、法邑いずみ教諭が二年生男子生徒一人の国語科学習の授業をそれぞれ指導した。
清水教諭は、立体地図や日本列島の模型や映像を用いながら、日本の高い山、長い河川、広い湖を知り、当該地域周辺の気候や産業について思考の幅を広げる授業を進めた。
法邑教諭は、平家物語を題材に、拡大読書器などを用いながら、古典文の音読や朗読を通じて、登場人物の立場や思いについて理解を深める授業を進めた。
大会二日目は、引き続き各部会での研究協議を行うとともに、ラッキーピエログループの王一郎社長が講演した。
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道視研函館大会・公開授業
(関係団体 2015-11-25付)
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