道教大附属旭川幼で特別支援教育研 通常学級での対応考察 事例発表やグループ討議など(学校 2016-01-19付)
日ごろの悩みや実践を交えて討議
【旭川発】道教育大学と同大附属旭川幼稚園(杉江光園長)は十三日、同園で二十七年度授業力向上セミナー特別支援教育研修会を開いた。幼稚園や小学校の教諭、大学生など七十六人が参加。事例に基づくグループ討議や、道教育大学旭川校の萩原拓教授、同大札幌校の齋藤真善准教授、東神楽町立東聖小学校特別支援教育コーディネーターの岡田則将教諭による鼎談を実施。保護者との適切なかかわり、通常学級における特別支援教育の在り方について考えた。
道教育大では、大学のある地域ごとに、様々な研修会を開催している。今回は、通常学級での特別支援教育が求められていることから、特別支援教育を研修のテーマに設定した。
開会式に続いて、旭川市立北光小学校の吉本絵理教諭、旭川市内みどり幼稚園の葛西沙紀教諭、道教育大附属旭川幼稚園の棚橋裕子教諭が事例発表した。
その事例をもとに、参加者は六グループに分かれて、日ごろの悩みや実践を紹介しながら討議=写真=。「通常学級(集団)の中での特別支援教育の在り方」「保護者とのかかわり」を討議の柱とした。
活発な意見交換の中で、参加者からは「幼稚園と小学校では子どもの集団の規模が違う。特別な配慮を当たり前にし、見通しをもたせるなど、安心して集団に入れるよう工夫すべき」との声が上がっていた。
また、「児童に対する認識が学校や幼稚園と保護者の間にズレがあることも多い。認識の共有に向けて、まず子どもの良い面を保護者に伝えていくことが大切」「学校でのケース会議をはじめ、対応する姿勢を保護者に見せると相手を納得させやすい」などの意見もあった。
◆特別支援教育の在り方で鼎談も
つぎに、「これからの特別支援教育の在り方を考える」をテーマに、道教育大旭川校の萩原教授の進行のもと、同大札幌校の齋藤准教授、東神楽町立東聖小の岡田教諭による鼎談を行った。
通常学級における特別支援教育について、岡田教諭は配慮を要する児童を孤立させない学習の必要性を強調。そのため、人的な支援の充実に加え、教師の資質能力のさらなる向上の大切さを説いた。
齋藤准教授は「子どもの視点から、今何が楽しいか観察し手立てを講じることが重要」と述べていた。
保護者とのかかわりについて、岡田教諭は「保護者に共感し、保護者の困り感を学校で解決していくスタンスが重要」と主張した。対して、萩原教授は、保護者対応に多くの時間を割いていると、本来の業務に大きな支障が出ることを指摘。「その場で時間をかけることはせず、相談の回数を多くした方が良い」と述べた。
また、齋藤准教授は「相談の際は教師らしさをなくし、一人の人間として相手に共感する姿勢が大事」と助言。すぐに具体的な問題解決を提示することは、保護者の反感を買うおそれがあることを伝えた。
(学校 2016-01-19付)
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